Googleは米国時間3月24日、2009年末を目途に携帯端末から毎秒数Gビットの速度でインターネットを利用できるようにするサービスの計画について発表した。対象となる地域はマンハッタンからノースダコタ州郊外。
GoogleはMicrosoftやDellといった他の大手企業とともに、未使用の放送用周波数帯、いわゆる「ホワイトスペース」を開放するよう米連邦通信委員会(FCC)に要請している。認可を必要とすることなく同周波数帯を携帯デバイスでも使用できるようにするのが狙い。テレビの周波数帯の中でも、この範囲は到達距離が長く、障害物も通過することから貴重な存在となっている。
また、ホワイトスペースには現在の標準的なインターネットサービスを大幅に上回るデータレートをサポートできる周波数帯も含まれている。これについて、Googleで通信カウンセルを務めるRichard Whitt氏は24日午前の電話会議で、「Wi-Fi on steroids」または「Wi-Fi 2.0」と表現した。
Googleは、FCCの承認獲得に向けた新たな動きとして21日午後、6ページにわたる書簡を提出した。新たなデバイスの投入による有害な干渉の発生を危惧する放送局やマイクロフォンメーカーの間に根強く存在する懸念を払拭するのが狙い。
「このプロセスをすべての人にとり満足ゆくものにしたいと考えている」とWhitt氏。「今は、これらアイデアを記録し、事態の推移を見守る時だと考えている」
Googleは、ワイヤレスサービスプロバイダーになること、独自のネットワークを構築することには関心が無い、とWhitt氏は言う。だが、同社はホワイトスペースを「すべての米国人にユビキタスワイヤレスアクセスを提供できる千載一遇のチャンス」であり、同社の開発するオープンソースプラットフォーム「Android」を搭載する携帯電話を使用するうえで最適な条件ととらえている。Whitt氏によると、Googleは、コンソーシアムに参加する34の企業とともに開発が続けられているAndroidを搭載するデバイスを、早ければ2008年の夏か秋には発売したい意向だ。
仮にFCCの承認が下りた場合でも、Googleの構想が直ちに実現するわけではない。ホワイトスペースを使用できるようになるのは、早くても議会で決定されたテレビの全デジタル化に伴い、放送局が周波数帯を返還する2009年2月以降だ。
Whitt氏はさらに、FCCでは、今後数カ月の間、ホワイトスペースの使用に関連して規則を策定する計画は無いと述べた。同委員会のエンジニアは、現在もMicrosoftとPhillipsが提出した試作品の干渉について、テストを継続している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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