「Firefox」は最高のコミュニティープラットフォーム--モジラCEOが語る未来像 - (page 2)

文:Matt Asay(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、中村智恵子、佐藤卓、緒方亮、長谷睦2008年03月19日 19時12分

YahooのJerry Yang氏の怒り

 年間4800万ドルという売り上げは、Mozillaが巨大な可能性を持っていることをはっきりと示す数字のはずだった。しかし、その可能性が確かなものとして見えるようになったきっかけは、Yahooの共同設立者Jerry Yang氏との会見だった。

 これは私も関係していたことなのだが、Lilly氏は2005年にYang氏と会っている。Lilly氏は、Mozillaに加わってから数日のうちに、Yang氏のもとを訪れたのだ。これは表敬訪問などではなかった。それどころか、Yang氏は約束の時間に30分遅れて姿を現したあげく、FirefoxとGoogleとの提携を非難した。ある日突然、Firefoxを使う多くのYahooユーザーのスタートページが、「My Yahoo」ページから、Googleの検索フォームを含むFirefoxのデフォルトのスタートページに変更されてしまったのだ。これはYang氏にとっては不愉快な事態だったが、Lilly氏はこれでやっと、Mozilla Foundationに加わったことは正しい判断だったと、自信を持つことができた。

 Firefoxが重要な存在となったのは明らかだった。それも、非常にに多くの人々にとって。

 ここからプラットフォームの話に入る。2005年時点で、Mozillaでは15人の従業員が1500万人のFirefoxユーザーにサービスを提供していた。そして2008年現在では、150人の従業員が1億6500万人のFirefoxユーザーにサービスを提供している。こうしたMozillaの従業員は、Mozilla Europe(市場シェア30%)、Mozilla Japan(市場シェア10%)、Mozilla China Foundation(市場シェアは3%だが、急成長中)、そして米国のMozilla Corporationと、世界中に散らばっている。ユーザーベースの3分の2が米国外にあることからも、Mozillaはグローバルな組織にならざるを得ないのだ。

 Lilly氏が私に描いて見せてくれたMozillaの組織図は、一般的なソフトウェア企業の組織図にかなり近い。また、Mozillaのオフィスも、典型的なシリコンバレー企業のオフィスといった趣だ(私がオフィスを訪れた時にも、卓球をしている人が目に入ったし、正面玄関を出たところでは女性が愛犬を散歩させていた)。

 しかし、Mozillaが秘めている可能性は、普通どころではない。Mozillaの活動は、とてつもない額の金を生むかもしれないのだ。

真のコミュニティープラットフォーム

 Lilly氏は、FacebookやiPhoneなどの「競合する」プラットフォームと比べても、Firefoxのプラットフォームの方が実際のところはるかに堅牢で使いやすいと主張する。競合プラットフォームとは異なり、Firefoxは正真正銘のコミュニティープラットフォームで、幅広いユーザーの好み、要求、そして思いつきを反映している。Firefoxは、さまざまなサードバーティー製プラグインの受け皿となっているからだ。

 しかし、Firefoxのコミュニティー的側面はプラグインだけで終わらない。Firefoxのコードの40%は、Mozillaによって書かれたものではない。Mozillaが大きくなってもこの割合は変わっていない。Firefoxのコードが600万行もあることを考えると、これはとりわけ印象的な数字だ。

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