Microsoftは仮想化に注力する最新の動きとして、米国時間3月12日、企業が複数の仮想マシンを管理するためのツールを販売しているKidaroを買収したと発表した。
MicrosoftではKidaroの技術によって企業はアプリケーションの互換性の課題に対処するのが容易になり、その結果、最終的には「Vista」の普及がさらに迅速化されるとともに、企業における仮想マシンの使用法の幅が広がると述べている。
「今日の仮想PCをめぐる課題は、エンタープライズレベルの管理・配備機能を備えていないことであり、さらにユーザー体験も改善する余地がある」とMicrosoftのWindows部門でシニアディレクターを務めるGavriella Schuster氏は述べている。Schuster氏によると、Kidaroの技術は両方の面で有用であるという。Kidaroは仮想マシンの設定・管理ツールに加えて、仮想マシンを通常のデスクトップの一部のように見せかけてユーザーの仮想マシンに対する違和感を緩和する技術を持っている(ParallelsにもMacでWindowsを利用するための似たような機能がある)。
Schuster氏は買収の財務的な内容については明かすことを控えた。Kidaroは従業員が35人の非公開企業であり、開発拠点がイスラエルにある。Schuster氏によるとKidaroの3人の創設者は買収後もMicrosoftに残り、引き続きイスラエルで製品開発を率いる予定であるという。
Kidaroの仮想化技術は「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」の将来のバージョンに加えられる予定だ。このツール集はボリュームライセンスの顧客を対象としたMicrosoftの「Software Assurance」プログラムのアドオンとして販売されている。このツール集にはほかにも、「SoftGrid」という名称のアプリケーション仮想化技術やMicrosoftがAssetMetrixを買収したことに由来する資産管理ツールが含まれる。
Microsoftは2006年10月、サブスクリプション方式のSoftware Assuranceプログラムのアドオンとして「Desktop Optimization Pack」を発表した。
Schuster氏によるとMicrosoftではコードを見てみないとKidaroの製品をMDOPに組み込むのにどれくらいの時間がかかるかわからないという。「1年以内には確実に実現できると希望している」とSchuster氏は述べ、Microsoftとしては4月の「Management Summit」までにはもっと具体的なスケジュールを決めたい意向であると付け加えた。
これは企業がVistaに移行するための主流の方法ではないかもしれないが、Schuster氏によるとMicrosoftは、一部の企業にとってはKidaroのツールを使用してVistaで動かない古いアプリケーションを「Windows XP」の仮想マシンで利用する方が好みに合うだろうと考えているという。
「当社の多くの顧客にとって、かなり意味のある選択肢になると考えている」(Schuster氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」