グリーは2月29日、同社の運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」の会員数が400万人を突破したと発表した。1月の純増数が40万人を超え、右肩上がりで会員数が伸びているという。
携帯電話向けに軸を移し、ミュージシャンと交流できる「ミュージックコーナー」やニュース記事の配信、ゲームの強化など、コンテンツを揃えたことが会員数の伸びにつながったと同社では分析している。
GREE代表取締役社長の田中良和氏によれば、30代の利用者が特に増えているという。「もともと20代から30代の人に使って欲しいと考えてメディア作りをしてきた。若い人だけでなく、ある程度上の年齢の人にとっても居心地のいいサイトになっているようだ」と話す。会員の年齢の内訳を見ると、20代が36%と最も多く、19歳以下が33%、30代が23%、40歳以上が8%となっている。
携帯電話向けに注力するようになってから、それまで20代が中心だった利用者の層が拡大しているという。アクセス数やアクセスするデバイスの比率については非公開だが、「大半が携帯電話からのアクセス」とのこと。
今後は利用者拡大に向け、テレビCMなどのプロモーションに力を入れる。「早期に1000万会員獲得を目指す」
モバイルSNSとしてライバルにあたるディー・エヌ・エーの「モバゲータウン」は、SNS機能だけでなく検索などにも乗り出し、モバイルポータルサイトとしての地位獲得に力を入れている。しかし田中氏によれば、GREEはあくまでも「コミュニケーションの楽しさを追求する」として、ポータル化の動きとは一線を画す考え。「シンプルさ、分かりやすさ、とっつきやすさといったものがまだ足りない。デバイスを携帯電話にしたことでより多くの人が使いやすいサービスになったが、サービスの中身自体も、もっと多くの人が使えるように進化させていく必要がある」
出会い系サイトなどモバイルサイトにおける利用者間のトラブルが社会問題化している現状を受け、GREE内の監視を専門に行う「GREEパトロールセンター」を新たに設置する。3月3日にオフィスを移転し、独立フロアに専門スタッフを配置する。当初の人員は30人だが、順次増やして100人体制にしていくという。
モバイルフィルタリングサービスを未成年者が原則的に利用するように携帯電話事業者が進めている問題については、「会員数が400万人に達し、マスメディアとしての社会的責任が求められている」として、トラブル防止策を講じることは必要と田中氏は話す。ただし「インターネットは自由で、トライアンドエラーを繰り返しながら良くなっていくという点がすばらしいところ。何でも規制すればいいというものではなく、本当にだめなものだけを規制すべきだ」とした。同社の事業への影響については、「20代から30代の利用者が中心のため、あまり大きな影響はない」とみている。
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