「すべての人は、知り合いを6人介すると、世界中の人とつながる」--このような概念をもとに作られたサービスがいま、真価を問われている。
7月31日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を運営するグリーが、KDDIとの資本、業務提携を発表した。SNSといえば、ミクシィの手がける「mixi」が最大手であり、ヤフーをはじめとして数多くの企業が参入している市場だ。
グリーが運営するSNS「GREE」は、2004年2月に現グリー代表取締役社長の田中良和氏が個人で始めたサービスだ。その年の10月にはユーザー数が10万人を突破するなど、急激に人気を集めていたが、個人運営の限界もあり、後発のmixiに大きく差をつけられてしまった。2004年12月に法人化したものの、両者の差は開く一方だ。2006年8月現在の会員数はmixiが500万人を超えているのに対し、GREEは約35万人に過ぎない。
このような状況下で、なぜグリーはKDDIと組み、そしてこれからどこに向かおうとしているのだろうか。田中氏に話を聞いた。
まず、ここ数年でブログやSNS、アフェリエイトといったサービスを、一般の人が使いこなすようになったという点で、時代が大きく変わったと感じています。かつて「ブログは日記とどう違うのか」なんてことをまじめに議論してたことがばからしくなるようなことが起きている。
これからはもっと、みんながインターネットを高度に使いこなす時代が来るなという感覚を強く持っています。ただ、日本人全員がインターネットを使う時代が来ると考えたときに、パソコンを1人1台持つということはないと思うんですよね。そうなるとやはりモバイルからのインターネット接続というのが次の主流になるという感覚が、ここ何年かの流れを考えたときにありました。
そういう時代のSNSは端末や通信キャリアとの組み合わせも考えた、総合的なものである必要がある。こう考えて、KDDIと組むことにしたんです。
一方、KDDIのほうは、EZwebのメニューをポータル化していく中で、いまインターネットで流行しているものをどう取り入れるかと考えたようです。検索はグーグルと提携しているし、すでにブログサービスも始めている。残っているのはSNSですよね。そういった流れで当社との提携が決まったということです。
一緒にきちんとやっていくためには、資金があったほうがいいという判断です。
まだお話できる段階にはありませんが、時がくればきちんとお話します。基本的には、GREEモバイルのバージョンアップというような形になると思います。
ええ、例えば端末と連携するとか、いろいろ考えていますよ。
そういう部分もありますね。auがメニューをポータル化している流れがありますから、そういった方向での連携はあると思います。携帯電話ってそもそも人とコミュニケーションするツールですよね。ですから、(SNSのような)コミュニティとは驚くほど相性がいいと思います。
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