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グーグル、ヤフーの存在は「鉄壁ではない」--最後発で日本の検索市場に挑む百度

岩本有平(編集部)2008年02月15日 08時00分
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 GoogleやYahoo!も参入する中国で、圧倒的なシェアを獲得する検索サービス「百度(バイドゥ)」。2007年春に日本上陸を果たしたものの、これまではどちらかというと消極的な姿勢だったが、2008年に入ると積極展開に一転した。

 日本でもGoogleとYahoo!が検索サービスのシェアの多くを握っている中、どのような戦略をとるのか? 日本法人取締役の舛田淳氏に聞いた。

--中国でのシェアは7割以上と聞きますが、次の展開としてなぜ日本を選択したのでしょうか。

百度取締役の舛田淳氏

 我々は2000年から8年間、中国のユーザーにサービスを展開していき、現在のシェアを獲得しました。そしてこの実績で、技術や資本といったものがある程度のレベルに達したと判断しました。

 そこで海外展開となったですが、われわれは2バイト文字による検索のノウハウを持つので、2バイト文字を使用する地域でのサービス展開をしたいという思いがありました。

 日本進出を決めた理由はまず、2バイト文字の言語や文化、そして距離など、さまざまなことが「近い」ということでした。日本と中国のスタッフの交流も密に行えます。そしてまた、高速で安定したネットワークが整備されている点も魅力です。

 さらに、日本のユーザーはITに関するリテラシーが高く、いいものを出せば評価してくれると思っています。そういう意味でも我々がチャレンジできる市場だと考えています。

 そういう経緯があり、2006年12月4日に参入を表明して日本法人を立ち上げ、2007年3月20日にはベータ版の提供を開始しました。

--とは言え、日本ではGoogleとYahoo!がほとんどのシェアを占めています。

 中国では我々がシェアの7割を占めており、韓国であればNAVERがシェアの多くを占めています。GoogleとYahoo!の2つのサービスが共存できる環境というのは、ユーザーがほかのサービスに移行するハードルが低いという考え方もできます。GoogleとYahoo!は決して鉄壁ではありません。

 われわれが日本で実施した自社調査では、利用している検索エンジンで思いどおりの検索結果が出ないという声は少なくなく、使用する検索エンジンを切り替えてもよいという声が半数を超えていました。

--中国で人気を集める一方、訴訟も抱えるMP3検索ですが、法的な問題から国内では提供していませんね。

 我々は中国の企業ですが、当然現地の法律やルールに従うべきだと考えています。baidu.comは中国ユーザーのニーズに応えたものであり、必ずしもすべてのプロダクトを持ってくる必要はないでしょう。

 動画検索もそうですが、著作権者に対する配慮はグループの方針でもあります。中国においては、それを我々は満たしていると考えています。現在我々は訴訟を抱えていますが、その主張は受け入れられています。

 日本ではこの1年ほど権利者と話し合いを進めており、現在も削除依頼をいただければすぐに対応しています。しかしながら、我々がすべてのコンテンツの中身を見て権利的に違反しているかどうかを判断するのは現時点ではなかなか難しいのです。そのため、テクノロジー的に対応できる方法も模索しているところです。

--日本独自のサービスを提供していくことも考えていますか?

 中国と日本でサービスを提供するスタンスが異なる点もありますが、いずれも検索の精度を最も重要視しています。他社サービスとの差別化について聞かれることが多いですが、単純に目新しいことをやればいいと言うわけではないと思っています。

 現在提供しているサービスでは、ブログ検索や動画検索のインターフェースなどが日本独自のものです。日本向けのサービスでは仕様を日本側ですべて決め、日中で開発を行っています。ですがもちろん、日本側の要望がbaidu.comにあるサービスで実現するのであればそれを持ってきます。

 実際すでに1年間のロードマップは作成しており、開発中のサービス、開発が完了したサービスがあります。そこには日本独自のサービスも、baidu.comのサービスをローカライズしたものもあります。

--Googleが被リンク数をベースにしてPageRankを決めていることに対し、百度は異なるロジックを採用していると聞きます。

 検索エンジンの歴史を見れば、キーワード一致の検索から始まり、Googleのようにリンク数を主体にしたロジックが生まれ、さらに進化を続けています。しかし、結局は検索したキーワードがあるかないかに帰着してしまうという限界点があると感じています。また、2バイトの言語は1バイト文字に比べて多義性がありますが、コンピュータはその理解が得意ではありません。

 そこで我々は、詳細を申し上げる訳にはいきませんが、セマンティックウェブの取り組みを検索のロジックに入れているほか、HTMLの意味を解析し、広告や本文といった要素も精査しています。また、リンク数主体でのロジックを全否定しているわけではありません。我々もリンクの意図を解析する「link analysis」という米国特許を持っており、それらを組み合わせて検索結果を表示しています。

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