Hewlett-Packard(HP)はオープンソース開発者らに対し、同社が先週オープンソースコミュニティーに公開したオープンソース管理ツールを改善する取り組みへの参加と協力を呼びかけた。
もともとHPの社内で使用するために作られたこれらの管理ツールは、企業や団体におけるオープンソースライセンス管理の簡素化を目的としている。またHPは、これらの管理ツールをテーマにしたコミュニティー構築を目的としたFossologyとFossBazaarという2つのウェブサイトを立ち上げた。この「Foss」とは、Free and Open Source Softwareの頭文字。
しかし、HPのLinuxおよびオープンソース担当バイスプレジデントであるChristine Martino氏は、先週リリースしたソフトウェアはほんの第一歩だと語る。
Martino氏はCNET News.comで週末にかけて公開されたコメントの中で、「Fossの管理にフリーサイズ的なアプローチは存在しない」と述べ、「われわれのソフトウェアは、HPには非常に適している。しかし、Fossの管理方法は他にも存在する。最良のFossツールや事例を生み出す方法は、われわれが開発したものをオープンソース化し、他の人々がそれを基礎として個々の企業のニーズに合ったツールを作れるようにすることだ」と語った。
Martino氏によると、これらの管理ソフトウェアをリリースするアイデアは、2006年に行った顧客との議論から生まれたという。「(議論には)大勢の顧客が殺到し、オープンソースの導入をうまく処理するためのこの種のツールを強く要望された」(Martino氏氏)
オープンソースライセンスの急増により、企業がオープンソースに対し不安を抱くケースが多く、HPのFossologyツールは、このようなオープンソースに対する不安の軽減を目的としている、とMartino氏は語る。「(オープンソースが)理解できれば、管理も可能になり、(オープンソースに対する)恐れ、不安、疑念も払拭される」(Martino氏)
HPは先週、Fossology上で最初の管理フレームワークと2種類のソフトウェアエージェントをリリースした。またFossologyでは、オープンソース導入の検討材料となるデータを徹底的に研究したいと考える大学の教師や研究者向けに必要な情報資源も提供するという。
また、もう1つのサイトであるFossBazaarでは、ビジネスマネージャーに特化したコミュニティーの構築を目指している。同サイトでは特に、企業にポリシーや慣行作りを指南するという。
HPはFossBazaarサイト上で、NovellやCoverityといったパートナー企業の協力を得ながら、ホワイトペーパー、アセスメントプール、サポータビリティツールといったリソースを提供していく。また同サイトは、Linux Foundation内の作業部会としての機能も果たす予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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