サンフランシスコ発--念のために記しておくと、Hewlett-Packard(HP)の最高経営責任者(CEO)であるMark Hurd氏は、テニスでOracleのCEOであるLarry Ellison氏にわざと勝たせることはないという。
世界最大規模のユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld 2007」がサンフランシスコで開幕した。出席者との対話形式で行われた基調演説では、世界最大のPCメーカーであるHPの会長兼CEOを務めるHurd氏が、冒頭のような質問や、そのほかの重要な質問に答えた。質問はあらかじめビデオテープに収録されており、さまざまなテーマの質問がなされたが、その大半はありきたりな質問に思われた。
ランダムに選ばれたとされるカンファレンスの出席者からの質問には、「HPとDellのどちらの製品を購入すべきか」という露骨なものから、「テニスで(Oracleの)Ellison氏に(わざと)負けてあげるか」といった無意味な質問、さらに「HPのCMに出演したJerry Seinfeld氏に支払われたギャラはいくらか」というものまで、さまざまな質問が出された。
果たして、Hurd氏はそれらの質問にどう答えたか。まず、最初の質問については、(当然ながら)HP製品を購入すべきだと答えた。2つ目の質問については、同氏は大学レベルでテニスをプレーしており、他人にわざと負けることはありえないと回答した。また3つ目の質問については、Seinfeld氏が出演するHPのCMは、HPと提携しているDreamWorksが最近製作したSeinfeld氏出演の映画と同時に製作されたため、Seinfeld氏にはCM出演の報酬は一切支払われていないという。
しかし、ちょっと待って欲しい。ソフトウェアについてはどうなのか。Hurd氏によると、HPは依然として、サーバ、システム、ネットワーク、ストレージといった管理ソフトウェアを「特に重視」しているという。Hurd氏は、「今やHPは、世界第6位のソフトウェア企業となった」と述べた上で、「われわれは、(管理という)1つのカテゴリに特化しており、その点で他社と異なる。そのカテゴリで首位を目指したい」と付け加えた。
またHurd氏は、同氏の千里眼でハイテク企業の中で3年後にまだ独立した大手企業であり続けるのはどの企業か予想して欲しいと要請された。同氏は、具体名こそ挙げなかったが、基本的に「多くはない」と答えた。Hurd氏は、12日に報じられたIBMによるCognos買収のニュースに触れ、今後ハイテク業界はさらに整理統合が進み、「垂直統合は減るどころか増加する」と予想した。結局は、資金力に帰着するというのが同氏の見方だ。
「結局、重要なのは資金力だ。現在の資金力に着目すると、ハイテク業界の中で、1000億ドルを超える現金を保有する企業はほんのごくわずかだ」とHurd氏は語る。また、同氏がさらに良い質問として挙げたのは、整理統合がどの程度早期に起こるのかという質問だ。この問いに対し同氏は、整理統合が起こる時期は依然不透明だが、「仮に適切な統合が実現すれば、(向こう2〜3年以内に)整理統合が加速する可能性はある」と回答した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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