Microsoftは各国の政府が「Linux」や「OpenOffice」などのオープンソース製品ではなくて、Microsoftのテクノロジを採用するように改めて提案しようとしている。
現地時間1月22日からベルリンで開催されているGovernment Leaders Forumで、Microsoftは「Citizen Service Platform」と同社が呼ぶプラットフォームを発表する予定である。これはまったく新しい製品のセットではなく、市民に電子的なアクセスを提供する目的で各種のMicrosoft製品を使用するためのテンプレートおよびアーキテクチャである。
大規模な政府機関が十分に手を尽くせば、「Dynamics CRM」から「SharePoint」、さらには「Internet Information Server」にいたるまで、あらゆる製品に何十万ドルという資金を投入して、オンラインでの政府記録へのアクセス許可や、結婚許可証の発行、氏名の変更といったあらゆるサービスをウェブで提供できる。
しかし、同じくらい重要なのは、ほとんどIT資源がなく過度の負担を強いられている小規模の政府機関を支援するためのツール類であるとMicrosoftの公共セクター事業担当バイスプレジデントであるRalph Young氏は主張する。こうした同社の取り組みはMicrosoftの.Netアーキテクチャを基盤としている。
最も基本的なレベルでは、Microsoftは「Office Live」や「Windows Live」に基づいたシステムを提供しており、費用は1カ月に20ドルである。ジャマイカ政府のシステムはこの価格で運用されているとMicrosoftは述べている。行政サービスのオンライン化に踏み切りたいが既存のMicrosoftのテクノロジがまったくないという小規模な政府の場合、費用は1万ドル〜1万5000ドルの範囲になるかもしれないという。
Microsoftの取り組みの多くは、行政サービスの80%を提供している地方自治体や地方政府に重点を置いてきた。
「地方政府はより市民に近く、サービスを提供する能力も高い」とYoung氏は述べる。しかし同時に、地方政府は多くの連邦レベルの政府機関が所有している資金や技術的なノウハウが不足している。
「地方政府は必ずしもそれほど高度な方法でサービスを提供する設備を持っているというわけではない」とYoung氏は指摘する。「地方政府はより深刻な予算や資源の制約に悩まされている」(Young氏)
行政サービスのオンライン化を支援する動きは新しいものではない。Microsoftはすでに約5年も前からこの事業に取り組んでいる。
Young氏はサービスをインターネット化している先進的な国としてシンガポールやカナダを挙げている。Young氏によると、シンガポールでは政府と事務手続きのやりとりをしている市民の10人中9人がオンラインで処理を実行している。また、カナダでは最も多用されている130のサービスをオンライン化した。これはトランザクション全体の約30%に相当するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」