ラスベガス発--Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は米国時間1月7日から10日までラスベガスで開催中の「2008 International CES」で基調講演を行い、ほぼすべての家電製品をインターネットに接続することが可能になれば、インターネットがパソコンにもたらした衝撃に匹敵する勢いで、技術革新とビジネスチャンスが爆発的に拡大すると述べた。
Otellini氏は、この基調講演の中で、自宅にいる時、あるいは車やバイクに乗っている間でも消費者がいつもインターネットにつながる世界について、展望を語った。
「現在われわれは、家電製品とエンターテインメントを再定義する点において、テレビの登場以来、最大の好機のただ中にいる」とOtellini氏は話す。「コンピューティングとコミュニケーションの融合が進み、新しいレベルの可能性と知能がインターネット体験にもたらされている。未来のインターネットは個人に特化し、どこにいても、欲しい情報を欲しい時にこちらの望む方法で届けてくれるようになる」(Otellini氏)
その衝撃がどれほどのものになるのか知りたければ、1990年代を振り返ってみるといいだろう。当時、インターネットが無限に近い可能性をパソコンに与え、ゲーム、メディアから小売りに至るまで、実にさまざまな業界がその衝撃の影響を受けた。こうした衝撃が今後、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫などの家電商品、そして携帯電話や自動車にまで及ぶと考えてみれば、マイクロプロセッサ業界最大手のCEOであるOtellini氏がここまで強気のビジョンを示す理由も容易に理解できる。
これからの大きな変化をイメージしてもらうため、Otellini氏の講演は往年のヒット曲「ラジオ・スターの悲劇」をIntel風にもじった替え歌のビデオで幕を開けた。Intel版の曲は、CDやフィルム式カメラなど、多くのテクノロジを時代遅れの存在にしたことについて、インターネットを称賛するものだった。
そのうえでOtellini氏は、以下に挙げる4つの課題を克服しない限りこうした変化は起きないと釘を刺した。その課題とは、(1)シリコンチップの性能とエネルギー効率のさらなる向上、(2)ユビキタスなブロードバンド接続、(3)インターネットへの文脈を読み取る機能の組み込み、(4)より自然なユーザーインターフェース、の4つだ。Otellini氏は聴衆を相手に、この4つの課題の克服に取り組むことを熱心に呼びかけた。
第1に挙げたシリコンチップの問題への取り組みとして、Otellini氏は家電製品向けSoC(system-on-a-chip、コンピュータの主要機能を搭載したチップ)である「Canmore」(開発コード名)のデモンストレーションを行った。Canmoreはテレビやセットトップボックス、メディアプレーヤーに搭載される予定で、特にインターネットアプリケーションとの統合を実現する製品だという。
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