Otellini氏によると、2008年後半に発売されるCanmoreは、PC並みの性能を持つプロセッサコアに、映像は1080p、サウンドは7.1chサラウンドのビデオを再生可能な専用の音声および画像処理機能を統合したもので、3Dグラフィックスのユニットも搭載するという。
「演算処理、グラフィックス、音声および画像処理といった重要な機能を1つのチップにまとめることで、小型化と省エネルギー化を進めながら、機器の機能を増やすことが可能になる」(Otellini氏)
Intelでは他にも、低消費電力のプロセッサとチップセットを用いた同社初のモバイルインターネット機器向けプラットフォーム「Menlow」(開発コード名)を2008年前半に出荷する予定だ。Menlowは、シングルチップ設計のチップセット「Poulsbo」(開発コード名)と、プロセッサ「Silverthorne」(開発コード名)を採用したパッケージだ。Otellini氏によると、2006年にリリースされた超低電圧モバイルプロセッサと比較して、パッケージ全体の大きさは5分の1、消費電力は10分の1になっているという。
Otellini氏は、2番目に挙げたブロードバンド接続の問題については伝送距離が長い新たな無線接続技術「WiMAX」を強く推した。また、文脈の問題に関しては任天堂の「Wii」を取り上げ、ビデオゲームのユーザーインターフェース改善の好例としてて絶賛した。
では、このように可能性が拡大したとして、消費者は実際に何ができるようになるのだろうか? Otellini氏はデモンストレーションのなかで、北京にやってきた英語圏の旅行者がモバイル機器を使って建物の看板やレストランのメニュー、さらには会話をリアルタイムで翻訳する様子を紹介した。また、旅行者がモバイル機器を使って、建物をその外観から識別するデモも披露した。これは顔認識技術によって機器が人の顔をスキャンして識別するのとほぼ同じ仕組みだ。この認識機能と、基調講演でデモをサポートしたEveryScapeのような企業がインターネットを通じて提供する情報とを組み合わせると、旅行者は建物の内部がどうなっているのかを知ることができる(トイレの場所を知りたい場合などがあるはずだ)。
さらに、基調講演のステージには、ロックバンド「Smash Mouth」のリードボーカル、Steve Harwell氏が登場し、インターネット接続と強力なプロセッサが普及した社会で可能になる、新しい形の人的交流をデモンストレーションした。Otellini氏とHarwell氏は、あるソーシャルネットワーキングサイト(SNS)を例に取り、これを使って世界中のミュージシャンがいっしょに新曲を作ったり、仮想コンサートを開催したりすることが可能になるとアピールした。
リアルなアバターで登場した3人のミュージシャンが、リモート接続を介してHarwell氏のステージに加わった。Harwell氏がステージで歌い、ほかのメンバーは別の場所から演奏に参加して、バンドはヒット曲「Walking on the Sun」の一部を披露した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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