シャープは1月8日、片山幹雄社長をはじめ副社長、専務出席の下、年頭記者会見を開催した。2008年度の重点事業として現在の基幹事業である液晶パネルと、今年大幅な生産増が行われる太陽電池の2つを上げた。
液晶パネル事業では、2008年末に予定していた、亀山第2工場の増産を7月に前倒しして行うことを発表。これにより亀山第2工場の生産能力は現在の月産6万枚から、9万枚へと1.5倍増へ引き上げられる。
片山社長は「今回の増産は市場の動向を見越してのこと。同社のAQUOSはもちろん、増産することで販売という面でも安定した供給が行える。昨年末発表した東芝との業務提携なども含め、販売面でも強化していきたい」とした。
記者会見場にも展示され、現在最注目製品の1つなっている厚さ2cmの液晶新技術搭載テレビに関しては「2008年度中に発売したいと思っている。2cmという薄さも特徴だが、65型で年間200kWhという低消費電力性、10万:1のハイコントラスト、広い視野角など、トータルで次世代ディスプレイとして仕上がっている。単純に薄さ2cmの液晶テレビが発売されるという形にはしないでほしい」と強調。
さらに液晶テレビに関しては「2008年度は1000万台を販売したいと思っているが、台数シェアを増やすことだけがブランドの価値に結びつくのか? という思いがある。今後はAQUOSブランドを高め、世界に向けて販売していきたい」とし、ブランド力の強化を示した。
一方、太陽電池事業に関しては、原材料の使用量が少なく、供給量に左右されずに生産できる薄膜太陽電池の生産能力拡充を発表した。現在年間15MWの葛城工場の生産能力を、2008年10月を目処に10倍以上となる年間160MWへと増強する。
薄膜太陽電池は気温が高いところであれば、発電力がアップされるため、大規模発電システム用として、従来の主力である結晶系太陽電池を住宅用として開発していく。
低消費電力による省エネルギー構造の液晶テレビ、CO2削減への大きな足がかりとなる太陽電池。2008年度の重点事業として掲げたのは、どちらも環境性能を重視したエコロジー家電だ。片山社長は 「温暖化の影響などにより、環境意識が高まる中、省エネを進めた電化製品や太陽電池を提供することで、エネルギー問題の解決に取り組んでいく」と環境家電への取り組みをより強めた。
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