大手テレビメーカーの松下電器産業、シャープ、東芝の3社が、デジタルテレビの到来で増大が見込まれる廃家電を処理するため、ミネソタ州にリサイクル会社Manufacturers Recycling Management Co.(MRM)を設立した。
同州では、メーカーに対して自社製廃家電の処理を義務づける法律が2007年に制定されている。MRMは、廃棄されたモニターやテレビの処理を専門とするCRT ProcessingやMaterials Processing Corporationなどのリサイクル業者と契約している。
古いテレビやモニターには鉛、カドミウム、有毒な難燃材などが含まれているが、貴重な金属やプラスティックも含まれており、慎重に処理すれば再利用可能だ。
廃家電の回収は2007年9月から始まっており、20社を超えるメーカーや店舗が参加する米環境保護庁(EPA)のPlug-In to eCyclingプログラムなどの活動を通じて、現在までに750トンほどのテレビ、PC、オーディオ機器、ファックスなどが回収された。
MRMは、日立、ビクター、三菱、Philips、パイオニアなどともリサイクル契約を締結している。同社は、合法的に廃家電問題に対処したいメーカーからの料金を通じて資金を調達する計画である。同社の従業員は現在1人のみとなっている。
MRMは2009年中にはコネティカット州、ノースカロライナ州、オレゴン州、テキサス州、ワシントン州に拡大し、そのほかの州にも広げていく予定である。
廃家電リサイクル法は現在、約35州で検討されており、家電業界は揺れている。全米家電協会(CEA)は、州ごとに規制するのではなく米国全体で立法するよう運動している。同協会は米国時間1月7日からラスベガスで開催のConsumer Electronics Show(CES)を運営しており、MRMの設立はその会場で発表された。
シャープの広報担当であるChristopher Loncto氏は、「われわれは連邦レベルでの取り組みを望んでおり、それに向けて活動を続けたい」と述べた。
ミネソタ州の場合、新法は同州におけるリサイクル率の押し上げに効果があるようだ。たとえば、Mall of Americaでは11月に廃家電回収イベントが予定されていたが、多くの人出が予想され、渋滞の危険性を懸念した主催者が中止した。
大手メーカーが廃家電の増加に対処しようとする一方、小規模の起業家たちは古い製品に新しい命を吹き込むことに商機を見いだしている。BuyMyTronicsやSecond Rotationといったウェブベースの新興企業は、旧式のiPodや携帯電話を販売している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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