ラスベガス発--シャープでは、PCに対抗するための最新の試みとして、同社が販売するテレビの一部のモデルで、厳選されたインターネットコンテンツを利用できるようにする計画が進行している。
2008年1月中に開始される予定の「AQUOS Net」サービスでは、視聴者はリモコンのボタンをクリックすることでNASDAQの株価情報、地域の気象情報、高画質映像、Traffic.comから提供される交通情報およびアニメなどを視聴することができる。今後NBCも同社の一部サイトからAQUOS Netサービスに対し情報を提供していく予定。
そのほかのパブリッシャーの参加も今後予定されている(シャープは1年ほど前から日本で同様のサービスを提供している)。
インターネットコンテンツは、画面右側に表示される(写真参照)。表示窓のサイズは拡大することができる。このサービスはまたポータルサイトに接続でき、シャープの技術者からコントラストや色彩についてサポートを得ることができる。
シャープのマーケティング部門でシニアバイスプレジデントを務めるBob Scaglione氏は、当地で開催のComputer Electronics Show(CES)で会見を開き、今後フルモーションビデオの視聴も可能にしたいとの考えを表明した。
同氏はまた、AQUOS Netでは視聴者はインターネット上を自由に閲覧できるわけではない、と付け加えた。実際にAQUOS Netを使用する場合、視聴者はパブリッシャーに直接接続されるのではなく、ニュージャージー州にあるシャープが所有および管理するサーバに接続され、そこからコンテンツが各家庭に配信されることになる。
同サービスは当面、ソニーが2007年に開始したビデオの提供をメインとするサービスと比べて多様性と規模において下回ることになる。しかし、これは計画のうちであるとScaglione氏は話し、ビデオ機能を搭載すればそれだけコストが増加すると付け加えた。同社ではサービス開始時からビデオ機能を搭載することも検討したが、見送ることにした。
ソニーのサービスを利用する場合、追加のハードウェアが必要になるが、シャープ製のテレビにはイーサネットプラグが内蔵されており、接続するとすぐに情報にアクセスすることができる。シャープはさらに、リビングルームにイーサネット用の差込口が無い顧客向けに、電力線ネットワークを介してテレビを接続するための機器を販売する予定だ。価格は179ドルからとなっている。Scaglione氏は、電力線を使用する場合でも、サービスの質が低下することは無いと語る。
AQUOS Netを利用するには、小売価格プラス約200ドルが必要になる。しかし、テレビを所有している限りは無料で利用することができる。そのテレビを5年間使用した場合、1カ月約3.33ドルでAQUOS Netのサービスを利用できる(200ドル÷60カ月)。将来的にはさらに価格が低下することが予想される(このサービスを可能にするシリコンチップの価格が200ドルを大幅に下回るため)。
このサービスを利用するには、ユーザーはインターネットに接続できる環境が必要になる。シャープでは高速回線の使用を推奨している。
現段階では、米国のユーザーはテレビでインターネットを利用することに関心を示していない。PCとテレビを融合する試みは、その多くが失敗に終わっている。だが、下着姿で「Today Show」を観ている時に地域のニュースについて知りたくなったら、このサービスを利用するのもいいかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス