わずか1年でここまで状況が一変するとは。
2006年には、Advanced Micro Devices(AMD)はまだOpteronチップの恩恵を享受していた。一方、Intelは市場シェアの奪回と、勢いを取り戻すための新たなプロセッサ製品群の発売を目指して奮闘していた。しかし、2007年に両社の立場は逆転した。現在AMDは、長期に及ぶ価格戦争で負った傷からの出血を必死に食い止め、さらにBarcelonaチップを予定通り発売できなかった失敗の影響に揺れている。一方、Intelは悠然と構え、Coreプロセッサのおかげで売り上げ、利益ともに増加した。
AMDの2007年は、在庫処理で出だしからいきなりつまずいた。この悪い流れは、新たに提携したDellを既存の提携企業よりも優遇する決断を下したことでさらに加速した。Dellとの契約は、Dell製品に対する需要の落ち込みにより、完全に裏目に出た。この失敗が巨額の損失を生み、さらにATI Technologiesの買収資金を捻出するために22億ドルの借り入れを申し込む破目になった。
2007年に入ってから、AMDは平均小売価格を支え、市場シェアを維持するためにBarcelonaを心底必要としていた。そのBarcelonaが、9月についに発売された。AMDの最高経営責任者(CEO)、Hector Ruiz氏が当初希望していたであろう予定月から6カ月遅れの発売となった。さらに、AMDは同チップをもってしても、同社の幹部らが2007年に入ってから設定した業績目標を達成できなかった。2007年末にバグが原因でBarcelonaの大量出荷が延期になったことを考えれば、AMDの幹部らが自分のオフィスに新しいカレンダーを欲しがる理由も分かる。
一方、Intelは、ロードマップの激変や相次ぐレイオフで浮き彫りになった悲惨な数年間を過ごした後、ようやく元の状態に復帰した。同社のCoreプロセッサは改善し続けた。また、1つのチップに4つのコアを搭載する方式をBarcelonaに採用した結果、現在苦労しているAMDに比べ、4コアチップでサーバ市場に参入する際に2つのデュアルコアチップをパッケージングする手法を選択したIntelは、はるかに先見の明があった。同社はグラフィックスやデジタルホーム戦略で若干の障害があったものの、2007年は素晴らしい年だった。2008年には、同社は低消費電力チップ「Silverthorne」に照準を定め、さらなる小型デバイスへの進出を狙っている。
Intelはまた、新しいトランジスタ設計を45ナノメートルチップに導入することに成功し、製造面でもリードを拡大した。この新しいトランジスタ設計は1960年代以来最も重要なトランジスタの基本資材に対する変更であるという。Intelはまた、新しいチップ製造工場をアリゾナに開設した。同社は、北京でIntel Developer Forum(IDF)を開催する直前に、2010年に中国でチップ工場を新設する計画を発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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