米連邦取引委員会、グーグルのダブルクリック買収提案を承認 - (page 2)

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2007年12月21日 11時30分

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 広い意味ではGoogleもDoubleClickも広告配信事業に携わっているが、厳密に見ると両社は広告配信市場の異なるセグメントで事業を展開している。

 Googleの「AdSense」はパブリッシャーネットワーク内のウェブサイトを対象としており、検索キーワードおよびウェブサイトの内容に基づいて表示されるテキスト形式のペイパークリック広告を配信している。一方、パブリッシャー、広告主、企業顧客向けに「Dart」と呼ばれるサービスを販売するDoubleClickは、ウェブサイトにバナー広告を配置している。同社は広告主とウェブサイトで広告スペースを販売している広告ネットワークとを結びつける「DoubleClick Advertising Exchange」というサービスも展開しており、さらに検索エンジンマーケティング事業の「Performix」も運営している。

 GoogleとDoubleClickとの合併を承認するFTCの決定は、垂直合併に関する過去30年にわたる措置にならったものである。垂直合併では隣接する事業分野の企業同士が合併し、買い手側の企業を新しい市場に進出させることを目的としている。一方で、水平合併ではまったく同じ分野で事業を展開する企業同士が合併し、その結果として競争相手が排除される。

 FTCはGoogleとDoubleClickの合併計画を、競争に対する潜在的な阻害を審査する3つの垂直合併の理論に照らして評価した。

 第1の理論では、FTCは2つの企業は直接の競争相手ではなく、その結果、両社間の実質的または直接的な競争が排除されることはないと判断した。

 第2に、FTCは有益となる可能性のある潜在的な競争を排除することになるかという点で合併を検討した。FTCは、たとえGoogleが第三者広告配信市場に参入する取り組みに成功したとしても、この業界には多くのプレーヤーが存在するので競争はむしろ激しくなる可能性が高いと認定した。

 第3に、支配的な市場プレーヤーがかかわる合併によって他のプレーヤーが使用している重要な「ツール」が取り上げられてしまうのではないかという懸念があるが、FTCは、DoubleClickは第三者広告配信市場における市場支配力を持っていないと認定した。その結果、FTCはGoogleが広告仲介市場で競合他社を不利な条件に置く手段として「DoubleClickの第三者広告配信製品を操作する」ことはできない可能性が高いと述べている。

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