「ニコニコ動画」はユーザーをクリエーターにする--戀塚昭彦氏に聞く(後編) - (page 2)

永井美智子(編集部)2007年12月17日 08時10分

――開発者である戀塚さん自身が一番、自分のサービスのファンですよね。

 フィードバックサイクルと言いますが、何か要求が発生してからそれを作り手に伝えて、実際に作業するまでの経路が短ければ短いほど的確に伝わるし、結果も早く得られます。その最大の形が、自分自身がユーザーであり作り手であること。自分のためのソフトをつくるのが最高のものだということになります。

 このことは今まで多くのソフト開発者も言っているんですけどね。多人数でやるのは結局(リソースの問題で)仕方なくやっているだけの話だと。

 ですから、(自分の開発したサービスを)自分自身も使うというのはかなり重要なところですね。なのでまぁ、今も普通にニコニコユーザーとしてやっています(笑)

――今後はニコニコ動画をどういう場にしていきたいですか。

 どうでしょうね。これだけのユーザーが来て、具体的な活動がかなり行われるようになってきたので、それを支えるインフラとしての位置は失わないようにしていきたいところです。

 新たな要求として、ユーザー同士のコミュニケーションが出てきています。いままではユーザーは匿名だったけれども、クリエーターがどんどん出てきて、彼らは自分自身を特定するための工夫をそれぞれしています。その辺りのサポートもあればいいかなと思っていて、人と人との直接的なつながりを支援する部分を何か考えていかないといけない時期に入ってきたのかなという感じはありますね。

 これまでの拡大段階では、むしろ匿名であることが受けた部分でもあるので、そのバランスは気をつけないといけないとは思っています。

――クリエーターのための場所になるということですか。

 ユーザーがクリエーターになる。ユーザーとクリエーターを分ける必要はないので、参加者みんながクリエーターの一翼を担っている形です。助言をしたりコメントをしたりするだけでも参加していることになるので、現実はすでにそうなっていると思います。

 ニコニコ動画は作る場であると同時に発表する場でもある。見てくれる人がたくさん集まっているというところが作り手にとっての価値である部分もあります。

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