ウェブの「イノベーション」をもう一度考えてみようじゃないか - (page 3)

文:Richard MacManus 翻訳校正:吉井美有2007年12月11日 08時00分

 わたしが最近記事で紹介した、革新的でうまくリンクを作っているモバイルウェブアプリケーションに、FringShozuの2つがある。Fringは無料のモバイルVoIPソフトウェアで、ユーザーのすべてのIMサービスと接続でき、3Gか無線LANに接続されている際には無料で通話することができる。Shozuは携帯電話からFlickrアカウントやYouTube、Facebookなどのウェブに動画や写真を送れるようにするものだ。さらに、欧米の大手インターネット企業がモバイル市場へ進出する準備を整えている。特にGoogleがそうだ

 Tangosはスライドの中で、mInfoに触れている。これは、WAPとSMSを通じて動作する自然言語によるモバイル検索サービスだ。

 これだけは言っておきたい。モバイルウェブ分野では現在多くのイノベーションが起こっている。この分野では消化も整理統合も起こっていない。モバイルウェブの人たちは発明しているのだ!

結論

 モバイル分野、セマンティックアプリケーションの分野のイノベーションについては、今後の記事で議論を続けていくが、1つ明確にしておきたいことがある。今起こっているウェブのイノベーションはいくらでもあるということだ。消化局面、整理統合、シリコンバレーの向こう側に。これらのことはすべて必要であり、興味深くもあるが、それ以上に刺激的なイノベーションが、例えばモバイル市場や中国、韓国のような場所、Twitterのような実時間コミュニケーションプラットフォームで起きている。

 2007年10月に参加したMobile 2.0カンファレンスの場では、発表者の1人が、彼らの1日で終わるイベントが同じ週の終わりに開かれるずっと大きなWeb 2.0 Summitに比べてどれだけ小さいかについて冗談を言った。発表者は、「10年も経てば逆になり、Mobile 2.0は大群衆を集めていて、Web 2.0 Summitはニッチな会議になるだろう」というようなことを言った(そのときはもっとウィットに富んだものに聞こえたのだが)。わたしには、これがモバイルウェブやその他の分野の熱気を表現しているように思えた。この熱気は、ウェブ技術の他の分野に欠けているものであり、少なくともテクノロジー関連のブログ(たまにはRWWもそのひとつとなる)の記事に欠けているものだ。テクノロジー関連ブログでは、新興企業Xが新しいソーシャルネットワーク機能を付けた(あくびが出る)、XがXドルの資金を調達した(誰が気にするんだろう)、XがYに買収された、あるいはもっと悪いのは、XがYに買収されるという噂があるといった記事ばかりだ。もううんざりだ。

 わたしは消化局面を止めようと呼びかけているわけではない。しかし、ウェブ技術者や起業家、ブロガー達に向けて、今こそウェブイノベーションの次のステージに焦点を合わせるべきときなのだと声を大にして言いたい。読者の一部は自分の事業を整理統合し、M&Aの機会を探り、統合し、反省するのに忙しいかもしれない。しかし、すぐ目と鼻の先の、この記事で触れたような技術分野では多くのチャンスがあることを忘れないでほしい。

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