酒井 それは難しい質問ですね。液晶テレビなどは大きさに比例して高くなる、解像度が上がるほどに高くなるという計算式があるのですが、有機ELには独創的な技術が注ぎ込まれており、その価値は高い。ですからまだ、経年によって安くなるようなものではないと思います。
白石 安い、高いの根拠はどこまで自分たちの思っていることを伝えられるか? という部分にあると思います。XEL-1には膨大な開発力とソニーの持つあらゆる技術が詰まっています。
もし仮にそれらの開発コストをそのまま価格に反映させたとするなら、もしかすると50万円や100万円の製品になっていたかもしれない。しかしそれでは、有機EL搭載テレビというジャンルはたった1世代で終わってしまう。しかし20万円という価格なら、すこし手を伸ばせば購入できる価格ではないでしょうか? 多くはお話しできませんが、この価格は本気で有機ELをテレビのデバイスとして普及させようという我々の意気込みだと思ってください。
酒井 暗いシーンでの表現力は素晴らしいですね。影になる部分でもしっかりと輪郭を判別できます。コントラスト値の高さがあらわれています。画面が明るいのも特徴的です。ある映画でカメラのフラッシュの光がまぶしいほどに明るくて驚きました。
白石 液晶付きポータブルDVDプレーヤーと並べるとよくわかりますが、XEL-1はHD素材ではない、DVDもキレイに見えます。これはハイコントラストであることが理由です。
XEL-1のコントラストは100万:1で、これだけのコントラストを得ることは液晶やプラズマでは難しいでしょう。テレビの美しさは解像度でばかり語られがちですが、コントラストもとても重要なスペックです。
コントラストが高いと、解像度のハイスペックさを上回るイメージで美しく見えます。ですからデジタル放送、DVDなど入力ソースにこだわらずに美しい映像を楽しめるんです。
例えば雨粒にライトが当たるようなシーンだと、雨の一粒、一粒に光が反射するのを見事に再現します。そんなリアルな質感を表現できるのもコントラストが高いからです。
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