マイクロソフトも参入、広告分野で注目される人工「無脳」の魅力とは - (page 2)

インタラクティブな広告への需要が拡大

 2002年以前からライフワークとして人工無脳の開発をしてきたんだけど、まさかこれがビジネスになることなんてないと思っていたので、ずっーと趣味として開発していたんだけど、今年に入って状況が一変。広告代理店や開発会社などからアライアンスの申し込みが10件程来ており、先日も国内最大手の広告代理店でプレゼンしてきました。

 人工無脳開発者が少ない現状と、ビジネス臭を匂わせているのが僕1人しかいないという現状もあってか、僕に声がかかることが多いんじゃないかと思うのだけれど。とても1人ではまわせないので、僕が顧問をしているローハイド.に手伝ってもらいながら数本の案件が進んでいます。

 さて、なんでここに来て人工無脳なのか。ここ数カ月でクライアントから話を聞いていると、「顧客からインタラクティブなコンテンツをキャンペーン等に導入したいという声が多い」とか、「既存のメール広告、ウェブキャンペーンに、もう一歩話題性のあるコンテンツが欲しい」なんてことを良く聞くんだよね。

 クライアントさんは、人工無脳を導入することでユーザーを長く人工無脳コンテンツで遊ばせて、自社サイトへのアクセス増を狙ったり、ユーザーのケアとして使ったりすることを想定しているようだね。

 広告を出す側にも当然メリットがあって、メルマガなどだと不特定多数に情報を送ることになるけれども、人工無脳だと自然に会話に沿った文脈で商品を紹介したり、サイトに誘導できたりするので大変興味を持っているようだ。

 ちなみに、よみうささんで特に意味もなくURLをたまに発言するような設定にしたとき、そのクリック率が8割以上もあってビックリした経験があるなぁ。普通のメルマガで広告のクリック率が8割もあったら…これはすごいことだよね。

 人工無脳にたくさんのお声がかかること。これって、僕は本当にウェブが次の時代に近づいてきてる証拠だと思うんだ。

 人がたくさんの手間をかけて宣伝するんじゃなくて、多少おバカでもロボットに宣伝やらせればいいんじゃない、という考え方が広告担当者にまで浸透してきてるっていうこと。それは、(本人達は意識していなくても)セマンティックウェブの実現を社会が望んでるということだと思うんだよね。

 セマンティックウェブとは、「機械(ロボット)が読んで理解できるウェブ」のことで、これが進んで応用されると、本当に重要なメールだけしか読まなくて済むようになったり、お気に入りの趣味や仕事に役立つ情報をいち早く、しかも自分にマッチしたものだけを受け取れるようになったりするはずなんだ。これにはエージェント(人工知能、無脳)が必須になってくる。

 今は人工知能、無脳といったものはゲームやお遊びでしか使われていないけれど、あと数年でガラリと世界が変わるかもしれないね。

 今後近いうちに、よみうささんのエンジンを使った商品のいくつかがプレスリリースとして流れると思うんだけど、僕としてはここで一気にロボットと人間が共生していく社会なんてのを夢見ちゃったりしてる。

 朝出かける前に、ロボットが「今日は○○さんとの会食がありますから忘れないでくださいね」って言ってくれるとか、会社の外にいるときに何かトラブルが起きたことを人より先にロボットがメールで教えてくれたりとか。ホワイトカラーだろうがブルーカラーだろうが、自分だけの有能な秘書が持てるようになったら素晴らしいと思わない?

 今うちに来ている案件は大体キャンペーンなどでロボットとメールをしているうちに自社の情報をプッシュしていこう、というようなものが多い。けれど、まだまだ人工無脳を使った面白いビジネスっていうのは想像可能だし、そもそも夢があるじゃあないですか。

 夢のある企画であるのは今だけで、数年後にはもう全く当たり前の技術になっていると予測して締めくくろう。ロボットも頑張っているよ。あとは僕等がどうロボットと付き合っていくかという時代が来はじめたんだ。

工藤友資人工無脳/知能研究者

統合ニュースサイト「読兎」、人工無脳「よみうさ」を企画、開発、運営。国産初のRSSアグリゲータ「Rabbit Ticker」やブログパーツの先駆け「BlogPet」の企画開発にも携わった。ローハイド.顧問を務めるほか、個人事務所エレキラビッツを運営している。

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