「Fusion」か、それとも混乱(コンフュージョン)か。
Office Depotの技術リーダーであるNiranjan Reddy氏にとって、答えはFusionで決まりだった。それほどの混乱はなかった。
これは、OracleのFusionミドルウェアの開発を担当する上級幹部のThomas Kurian氏が米国時間11月13日に、年次カンファレンス「Oracle OpenWorld」の基調講演で同社の「Fusion Middleware 11gのベータ」について話した内容を聞いた後でのReddy氏の評価である。
Reddy氏は、「『E-Business(Suite)12』と一緒にFusion 11gを使用したらどれほど業務が改善されるのか確かめてみたかった」と述べる。「現在、当社ではFusion Middlewareのほかに多くの異なるアダプタを使用しているが、Fusion 11gとE-Business 12を使えばすべてを取り込むことができる。E-Business 12で開発と展開が可能だ」
そしてOffice Depotのウェブサイトを詳細に調べている一般の消費者にとっても、在庫が把握しやすくなるとReddy氏は言う。
Oracle OpenWorldで講演したKurian氏は、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の提供から、Enterprise 2.0の機能性および単一プラットフォームによるグリッドコンピューティングに至るまで、新機能を大いに宣伝した。
Kurian氏はまた、新機能には暗号化や認証といったセキュリティの強化やOracleの「Applications Development Framework」による、よりリッチなエンタープライズアプリケーションの開発能力も含まれると語った。
2008年の発売が予定されているFusion Middleware 11gは複数のオプション機能が追加されるかもしれないが、どれほどの数の顧客が現在のOracleシステムから乗り換えるかについては議論の余地がある。
Fusion MiddlewareにはPeopleSoftのユーザーインターフェースが搭載されるが、実際のPeopleSoftのコードは含まれない予定だ。Oracle傘下であるPeopleSoftの顧客の多くは、BEA Systemsといった他のベンダーから発売されるミドルウェアを使用している。Oracleは先ごろBEAを買収しようとしたが拒絶された。
AMR Researchの企業戦略担当バイスプレジデントであるLee Geishecker氏は、「PeopleSoftの顧客にとってはスムーズに移行するのは難しいだろう。単なるアップグレードほど簡単ではない。実際には再実装に等しい」と指摘する。
Oracleは買収した企業の顧客に対して、Fusion MiddlewareやFusionアプリケーションのリリース後にそれらの導入を無理強いすることはないため、Fusionのテクノロジによって彼らを引きつける必要があるだろうとGeishecker氏は指摘する。
そしてKurian氏は13日に、まさにそれを実行に移したのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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