半年に一度、スーパーコンピュータのランキングが発表される。その最新リストで、IBMは首位になり、圧勝した。しかし、注目すべきは2008年のランキングだ。
同社は、今、PlayStation 3に使われているチップファミリーであるCellプロセッサとAdvanced Micro Devicesのプロセッサを組み合わせたRoadrunnerと呼ばれているコンピュータの製作に当たっている。
来夏、米国エネルギー省ロスアラモス国立研究所に納入されるこのコンピュータの計算能力は最大1ペタフロップス、つまり1秒間に1000兆回の演算が可能だ。Cellチップの設計に参加し製造も行っている同社は、同チップの利用方法の拡大を模索していた。
ペタフロップス級コンピュータは多くのメーカーにとって長年の目標だ。米国時間11月12日にネバダ州リノで開かれたSC07カンファレンスで発表された最新版Top500 Supercomputer Sitesリストでローレンス・リバモア国立研究所に設置されているIBM製スーパーコンピュータBlue Gene/Lが最速にランクされたが、その計算能力は478.2テラフロップス(毎秒478.2兆回の演算が可能)。Roadrunnerはその2倍の能力を持つことになる。
飛躍的な進歩にも見えるが、主にクラスタリング技術のお陰でスーパーコンピュータの世界ではこうした処理能力の大幅な向上は当たり前のことになりつつある。その昔、コンピュータ技術者たちは一体的に構成され分割のできない大型のスーパーコンピュータを作っていた。しかし、現代のスーパーコンピュータはラックに載った小さなサーバ同士を何千もの高速リンクでつないで作られている。かつてのスーパーコンピュータが摩天楼なら、現代のそれは分譲住宅地のようなものだ。
ローレンス・リバモア国立研究所のBlue Gene/Lもクラスタ型で、6カ月前のリストでも最速にランクされたが、そのときの計算能力は280.6テラフロップス。その後、大幅に増強された。
今回500位にランクされたシステムは6カ月前なら255位だったはずのもの。かくのごとく計算能力の伸びは急速だ。このリストに掲載された500システムのうち406システムがクラスタ型に分類されている。
リスト全体を見ると、同社製コンピュータは上位10位以内に4システム、100位以内に38システム、500位までの全リストでは232システムがランクインした。前回6月発表のリストでは、上位10位以内では6システムがランクインしたものの、全リストでは192システムだけだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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