ジーエフケーマーケティングサービスジャパン(GfK)は10月30日、2007年上半期における主要メーカーの製品満足度ランキングを発表した。
薄型テレビ(液晶テレビ・プラズマテレビ合算)は、販売台数でトップを占めるシャープが満足度においても首位を獲得し、「液晶のシャープ」を裏付けた。型番別分析で最も満足度が高かった製品はシャープの「LC-37GS10」で得点88.51。37型でフルHDパネル搭載の高機能にも関わらず、販売価格が同サイズ・同機能の平均価格より1割安い18万2000円前後と、価格が手ごろであることがトータルの満足度を押し上げたと考えられる。
コンパクトカメラでは、「きみまろズームで運動会の息子がばっちり撮れた」など、訴求キーワードやそのメリットを消費者に確実に印象づけた松下電器が満足度首位を獲得した。2位の富士フイルムについても、「顔キレイナビはかなり使える機能」などの反応があり、デジカメ機能に対する消費者感度の高さがうかがえる。
一方、デジタル一眼レフカメラはニコンが1位となった。「D40」を中心とした入門機のラインアップが、「コンパクト」「軽い」「安い」「使いやすい」という要素で高い評価を集めている。
デスクトップPCおよびノートPCでは、どちらもアップルが満足度首位を確立した。製品のオリジナル性やデザインに対する高評価に加え、「アップルだから、はっきり言って無条件で好み」などのコメントが寄せられ、ブランドロイヤルティの高さが満足度に寄与していると分析される。アップルはデジタルポータブルオーディオにおいても満足度1位を獲得している。
なお、デスクトップPCでは、欲しい機能を過不足なくチョイスできるBTO方式メーカーがコストパフォーマンスの良さで高評価を得たのに比べ、ノートPCでは松下電器が2位にランクイン。堅牢性や長寿命バッテリが満足度につながった。
冷蔵庫は、「まんなか冷凍」の使い勝手が高く評価され、日立製作所が首位となった。「冷凍・冷蔵室の配置が気に入っている」「大きくて冷凍食品が沢山入る」というコメントが集まっている。型番別での満足度1位は松下電器の「NR-E471T」で得点86.11。幅60cmで約470Lの大容量というメーカー訴求に対し、「同じスペースで容量が1.5倍になり、消費電力も少なく大満足」というユーザー反応が返ってきた。デジカメ同様、訴求点を消費者に届けたことが勝因の1つと分析される。
掃除機の満足度首位はエレクトロラックス、次いでダイソンとなり、いずれも海外メーカーが日系メーカーを4ポイント以上引き離して高い評価を獲得した。特にグッドデザイン賞を獲得したエレクトロラックス「ZB271」(得点85.45)は、「機能・デザインが良く、出しっぱなしにしておいてもインテリアになる」など、デザインに関する支持が多い。2位のダイソンは「評判通りの吸引力の強さに圧倒された」など、ほとんどの回答者から吸引力に対する満足のコメントが得られ、「吸引力=ダイソン」という消費者期待に確実に応えたことが満足度評価を押し上げた。
電子レンジでは、ヘルシオシリーズに高い満足度を得たシャープが1位を獲得した。「スチームオーブンで健康的。パンの発酵機能なども充実している」など、加熱水蒸気ならではの「健康」機能に対する評価が見られた一方、「キーの操作も楽」など操作性に言及する消費者も多い。台所の忙しい事情をどこまで汲み取ったかが、1つの要因であると思われる。
今回の調査結果に対し、GfKでは、満足度と実売のメーカーシェアは必ずしも連動しないが、満足度は次回購入時の選択要素として大きな影響を及ぼすと分析する。購入直後の満足度は、価格などの購入条件に対して期待できる最大限のメリット(機能、操作性、デザインなど)と比較し、どうだったかという総合評価ともいえる。この「期待値」を持たせる手段のひとつとして、広告・プロモーション・店頭などでの訴求が挙げられるが、今回の調査では訴求メッセージとの関連性が随所で見受けられた。
調査は、インターネットおよび全国有力家電量販店パネル調査として、16歳以上の男女かつ過去1ヶ月以内に対象家電製品を購入されたユーザーに対して行われた。サンプル数は約6万。GfKは毎月、主要家電製品の購入者を対象に購入直後の製品満足度を集計しており、今回のレポートは2007年4月期〜9月期調査の6回分を合算集計した結果に基づいている。
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