次のウェブをどう定義するか:構造化ウェブの始まり - (page 3)

文:Alex Iskold 翻訳校正:吉井美有2007年10月30日 08時00分

情報の構造化にとって重要な要素

 1.APIの流行。最近ではAPIが流行している。del.icio.us以降、ソーシャルウェブ時代を代表するウェブサイトは、その専用データベースにアクセスできるインタフェースを提供している。これは、次の2つのことを実現している。第1に、APIは情報の取り出しを簡単にする。第2に、現在のAPIの多くは情報をXMLとして吐き出すため、自動的に構造化されたものとなる。APIがウェブに与える影響については、「Web 3.0:ウェブサイトがウェブサービスになるとき」という記事を参照して欲しい。

 2.トップダウンセマンティックアプリケーション。トップダウンセマンティックアプリケーションの増加については、最近ここでも記事を書いている。これらのアプリケーションは、コンテンツから意味を抽出するユーティリティの作成に加え、重要な役割を果たしている。自動的に非構造化コンテンツを構造化された情報に自動的に変換するのだ。これは情報を抽出した後、このサービスがAPIか構造化RSSフィードで情報を提供するからであり、構造化された情報を効果的にウェブに戻すことができる。

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 3.古典的なセマンティック技術とマイクロフォーマット。セマンティックウェブの主な目的は情報を構造化することだ。RDFやOWLなどのXMLをベースにした言語は、情報を捉えられるように設計されており、物事だけでなく属性やその関係も明確に表現することができる。しかし、この古典的な手法はいくつかの問題に行き当たっている。この手法に関する考察やその背後にある理論には支持が集まるのだが、技術的な困難があると同時に消費者の視点やビジネス的価値からの視点に欠けており、この古典的なアイデアの実装が行われるとは考えにくい。

 その間に、情報の注記に関するより単純なアプローチであるマイクロフォーマットが勢いを得ている。マイクロフォーマットの背後にある考え方は単純だ。HTMLページの中に構造化された情報を示すマークアップを埋め込むというものだ。このアプローチのよいところは、注記がコンパクトで、ウェブブラウザでも、HTMLページを読むことのできる他のどんなプログラムでも解釈できるということだ。ただし、このアプローチにも問題がある。第1に、マイクロフォーマットで記述できることの数には限りがある。よく知られているマイクロフォーマットはhCardで、これは人や組織、場所などの連絡先情報を記述するものだ。

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 上の図は、マイクロフォーマットのウェブサイトからのものだ。

 より大きな問題は、マイクロフォーマットが意図されていた使い方に関するものだ。設計者によれば、マイクロフォーマットは新しい言語ではなく、無限に拡張できるわけでもオープンエンドでもなく、世界全体を定義できるようにも作られていない。むしろ、マイクロフォーマットは進化するソリューションであり、元々「よりよい構造化ブログやウェブのマイクロコンテンツ公開一般のために、多くのことが次々と積極的に開発され実装されていく、単純でオープンなデータフォーマット標準」を狙って作られた。その単純さにもかかわらず、マイクロフォーマットは構造のないコンテンツに構造を加えることにより大いに公の役に立っており、他のソリューションの限界を超えている。

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