ここ数年、インクジェットプリンタは“複合機”のイメージがすっかり定着したように思う。一方で、プリントを高速に行いたいが、レーザープリンタを導入するほどではないという、SOHOや小規模のオフィスも増えている。「PX-V780」は、まさにそれらのターゲットに向けた、非常にシンプルな機能性を追求したプリンタなのである。
私のSOHOオフィスでは、2003年に購入した「PX-G900」を文書ファイルのプリント用にいまだに使っていた。さすがに写真プリントには新しく購入した複合機を使っているが、顔料インクのプリントは水に強くて裏写りしにくく、保存性も高いため使い勝手がよくて手放せず、ほぼ毎日使っているにも関わらず、まる4年も現役で活躍してくれた。ただ、5年目ともなるとカラープリントなどで気になることが多くなってきたので、この文書ファイル用のプリンタを買い換えようと各社のプリンタを検討していて、この「PX-V780」を知った。
プリント速度が速く、文字が読みやすいレーザープリンタの購入も考えたが、本体の大きさやメンテナンス、いざというときのインク(トナー)の入手のしやすさなどを考えて今回は見送り、結局“モノクロプリントがレーザー並みに速いインクジェットプリンタ”である「PX-V780」に決めた。こういった機種選びのとき、インクなどはあらかじめ予備を購入してストックしておけばいいといつも思うのだが、うっかりインクを切らして近くの文房具店に走ったことは一度や二度ではない。そのたびに、メジャーなインクでよかったと心底思った。
また、個人的に長く顔料インクのプリンタを使ってきて、文字の見やすさや扱いやすさを実感してきたことも決め手のひとつだった。機能を絞ったシンプルな機種だと、黒インクにだけ顔料インクが使われているケースもあるが、「PX-V780」なら全色顔料インクなので安心。顔料インクなら、水性マーカーなどで上書きしてもにじみにくい耐水性があり、普通紙でも文字がくっきりプリントできるなど、一般的にはあまり意識されていないかもしれないが、実はSOHOなどでのビジネス利用にかなり向いている。
さらに、セカンドプリンタとして考えていた私には、1万円台前半という価格も魅力的だった。これなら文書ファイルのプリント用として、躊躇なく使える。コンパクトでスペースも取らず理想的だ。私だけでなく、実は「以前購入したインクジェットプリンタを文書ファイル用に使っている」というケースは、SOHO・一般オフィスに限らず案外あるのではないだろうか。「読めればいい」と割り切りつつも、やはり速く・キレイにプリントできると日々のストレスもまったく違うもの。1万円台前半というお得な価格は、無理に旧機種を使い続けず、快適なセカンドプリンタに買い換えるきっかけに、十分なりえるはずだ。
実際、価格から選んでも、複合機の旧機種を買うよりも、シンプルな機能の現行品の方がインクを買うときに店頭にあるかどうか心配しなくていいし、このインクの入手のしやすさは、メジャーなメーカーの製品ならではだ。
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