高画質の仕組みを見てみよう。プラズマテレビの画素は、発光の種火として常時、予備放電をする必要があり、このわずかな発光が黒の表現の妨げになっていた。黒を出すには、この予備放電を限りなく少なくする必要がある。
「少ない予備放電で十分な発光を得るには、放電空間を安定させることが大切になります。このために昨年のPDP-5000EXでは、画素の前面側に“高純度クリスタル層”と呼ばれる材料層を設けました。
今回のKUROでは、さらに底面に独自の電子発生源を設けています。いずれも画素内の放電空間を安定させ、放電のスピードを早め、少ない予備放電で安定した発光を可能にする独自技術です」。
深い黒を表現するためには、パネル表面にコーティングされたフィルタの特性も重要になる。
フィルタにはAR(アンチ・リフレクション)とAG(アンチ・グレア)という方式がある。パナソニックのプラズマなどに採用されているAGタイプは、反射を抑えると同時に解像感や色の艶も抑えてしまう。ARタイプは解像感と色の光沢感を引き立てるが、外光の反射も強くなる、という特性がある。
本機のフィルタは、艶のあるARタイプで、黒の透明感と色の光沢感を引き出している。と同時に、課題となる外光反射も極力抑えられている。
「画素の光をそのまま視聴者の眼に届けると同時に、外光の反射は眼に入れない。こうした相反する要素を両立できるフィルタ素材を、試行錯誤の末に探し当てました」。
ARタイプの宿命として写り込みをゼロにはできないが、電源オフ状態で去年モデルと比べると、本機の画面のほうが黒く見え、その分だけ外光の写り込みが低減されていることがわかる。
映像エンジンは「新・フルデジタル画像処理回路」にリニューアルされている。その基本コンセプトはノイズの低減にある。I/P(インタレース・プログレッシブ変換)回路では、変換性能を向上させることで、テロップなどに乗る“くし状ノイズ”を減らすなどの効果をあげている。
ノイズリダクション回路では、川面など複雑な動きに乗る圧縮ノイズも効果的に低減している。さらに従来機では払拭できなかったクロストーク(縞模様に乗る色ノイズ)を、コンポーネント信号のまま、ほぼ完全に除去している点にもこだわりが感じられる。
KURO全モデルにこの新回路が搭載され、フルハイビジョンからWXGAへの変換も高度なので、WXGAパネル搭載モデルのコストパフォーマンスも見逃せない。
新たに搭載されたゲームモードも凝っていて「画質重視」と「レスポンス重視」が選べ、レスポンス重視にすると「延滞が限りなくゼロに近くなりますので、PS3が一番快適に楽しめます」
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