Joy氏はこの講演において、運輸業界や電力業界が今後5〜10年間でどのように変化するのかを予測した。
バイオ燃料(植物から作られるエタノールのような燃料)には多額の投資資金が寄せられているが、Joy氏は「電気自動車がバイオ燃料を打ち負かす」と考えている。つまり、輸送会社と電力会社がより連携するようになるということだ。
プラグインハイブリッド車における大きな悩みの種はバッテリである。しかし、Joy氏はこの点に関しても楽観的である。
「新しい化学物質がいろいろと生み出されてきているため、今から5〜10年後には、現在の1リットル当たり100ワット時と比較すればエネルギー密度で5〜10倍となる、500〜1000ワット時を達成するベンチャー企業がでてくるだろう」(Joy氏)
「ガレージで充電するだけでよく、ガソリンスタンドで燃料補給する必要のない自動車が十分現実的なものとなるだろう」(Joy氏)
Joy氏によれば、長距離走行には液体燃料用のタンクを備えることが可能になるだろうという。また同氏は、効率が40〜50%の太陽電池パネルがバッテリ充電用として自動車に備えられるだろうとも予想している。同氏は「屋外駐車場がより価値あるものとなるかもしれない」と述べている。
Joy氏によると、米国人は長距離を運転し、大型車を所有し、乗用車としてトラックを運転することが多いため、こういった電気自動車は米国よりも先に欧州で普及する可能性が高いという。
太陽エネルギーに関して、同氏は長期的予測として、光を電気に変換する光電池素材を挙げている。
太陽電池パネルは現在、大企業ほど多くの資金調達選択肢を持たない一般家庭にとっては特に、巨額の投資を前もって支払う必要があるものとなっている。
太陽電池パネルの効率は向上してきているものの、企業は太陽熱や太陽集光といった、より高い費用対効果が可能なテクノロジを追求している。
事実、KPCBは太陽熱と光電池の双方に投資している。しかし、Joy氏は最終的に光電池が勝つと考えている。
太陽電池パネルに最も広く使用されている、シリコンを原料としたセルの効率は約20%である。Joy氏の予測によると、素材技術の進歩によって、コストを抑えつつこの効率を向上させることができるという。
同氏は「長期的にみれば、光電池でより高い効率を達成する方がずっと簡単だ。現在は、高効率の光電池を製造するために、価格の高い高純度シリコン結晶を使用しているため、コストは非常に高くなっている」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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