しかし、今年の夏のiPhoneをめぐる熱狂は、確かにスマートフォンに関する議論を促進させた。その点に関してPalmの幹部らは、Centroの販売を後押しするものになればと期待している。
「iPhoneが、こうした機器に注目しなかったであろう人々の想像力に火をつけたことは間違いない」と、Colligan氏は語った。「AppleはiPhoneのデザインに関して、見事な成果を出した。しかし、人々が2つのスマートフォンを並べて比較したときに、iPhoneの4分の1の価格の製品で、3G無線ネットワークへのアクセスなど、多数の高度な機能を得られるということを認識するだろう」
iPhoneは、AT&Tのより遅い2.5Gネットワークで動作するものの、Centroとは異なり、Wi-Fi接続も提供している。
CentroがiPhoneよりも高速のネットワークを採用しているのは事実だが、機器のデザインに関しては、多くの点においてAppleのiPhoneに遅れをとっている。たとえば、Centroのタッチスクリーンは、iPhoneのスクリーンの機能性とデザインに比肩できるところまでも達していない。
しかし、Palmにとっての最大の問題は、同社において長年の悩みとなっている、Palmの古めかしいOSである「Garnet OS」だ。Garnet OSはもともとTreoではなくPDA向けに設計されたもので、同OSをスマートフォン用OSに作り変えるために同社は多大な労力を費やしてきたが、2004年以来主要なアップデートは行われていない。Palmは同社の遺産を維持していくための新しいOSのリリースに取り組んできたが、複数回にわたりリリースは遅れ、現時点では2008年までその予定はない。
競合製品の「MacOS X」や「Symbian OS」、「Windows Mobile」(Palmも搭載機器を提供している)に対抗できるOSをPalmが開発するまで、同社は、新しく格好いいものを求めてスマートフォンへと移行する人々を引き付けるのには苦労するかもしれない。Centroによって少なくともPalm製品のインダストリアルデザインは一新されるが、ハードウェア以上に重要になるのが美しく使いやすいデザインなのだ。
IDCの調査アナリストを務めるSean Ryan氏は、次のように述べている。「iPhoneは、携帯電話がどういうものになれるのかという点で、その水準を引き上げた。ある意味、Appleは市場を教育している。そして人々は、携帯電話のさらなる可能性に注目している」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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