アドバンスト・メディアは10月2日、総額約25億円の増資を行うと発表した。そのうち新株式発行による調達資金は7億32万6000円で、新株予約権による調達資金は18億3102万5000円となる。
新株式発行については、メリルリンチ日本証券に3370株、同社の創業期の役員を務めた伊谷健太郎氏に8420株の合計1万1790株を割り当てる。
新株予約権については、コミットメント条項付き新株予約権によりメリルリンチに2万5000株を発行。この方法は、同社が新株予約権の行使の量と時期をコントロールできるのが特徴。
具体的には、今回の契約の場合、2年以内にアドバンスト・メディアが新株予約権の行使を希望する場合にはメリルリンチに対して強制して行使でき、一方で株価動向などを勘案して新株予約権の行使を希望しない場合は、一定期間新株予約権の行使を禁止することができる(エクイティ・コミットメントラインと呼ばれる)。なお、調達資金の18億3102万5000円は、行使価格を7万2600円として算出したもの。
アドバンスト・メディアでは、増資にあたって柔軟な資金調達ができることと、株式数を決めることで既存株主の価値が希薄になることを防ぐために今回の方法での増資を決めたという。同社の個人株主は約2万人。
調達した資金は主力事業の音声認識技術の開発に16億5000万円、携帯電話向けのサービスなど新規事業の立ち上げに8億5000万円を充当する。ただし、新株予約権については行使の時期を決定次第、順次提示するとしている。
今回の増資について同社では「長期的に自社でコントロールできる仕組みでの増資を希望していた。今後5〜6年かけて運用する予定。特に携帯電話向けの音声認識技術は、すでにNTTドコモの携帯電話の1機種に採用されており、今後も重点的に注力していきたい」という。
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