Microsoftは、通常とは異なる製品候補版(Release Candidate)のバージョン番号を用いて、Windows Server 2008の出荷遅れが大企業の顧客に及ぼすマイナス面の影響を抑えようとしている。初のWindows Server 2008のバージョンは、Release Candidate 1(RC1)ではなく、Release Candidate 0(RC0)となる。
Microsoftは、いつもと異なるステップを踏んだことについて、プレス向けのコメントでは一切触れていない。Microsoftが通常使う用語ではないことに関する説明はないものの、その代わりに、RC0で「マイルストーン」段階に到達したとの評価を述べている。
Microsoftによれば、今回のステップが踏まれた理由は明白である。3つのベータ版を経て、Windows Server 2008に必要な全機能はそろったものの、製品の完成度は、いまだ製品候補版と呼べる段階にはない。
あるMicrosoftの広報担当者は「主要な特徴は完全に整ったものの、RC1と呼べる開発プロセスには至っていない」と語った。
Windows ServerのプロダクトマネージャーであるGareth Hall氏は「多くの顧客が、ベータ版のテストを4月以来続けてきた。これまでのダウンロード件数は、80万を超えている」と述べた。
Hall氏は、通常とは異なるRC0がリリースされる理由について、これまでも顧客は、Windows Server 2008の各部をダウンロードして試用できたものの、一体化した製品としてリリースされるのを非常に心待ちにしてきた点を挙げている。ZDNet.co.ukに対して、Hall氏は「製品の基本ラインをテストできることが望まれており、ついにRC0で可能になる」と語った。
しかしながら、Hall氏は、RC0への移行に、少なくとも1つの利点があることも明らかにした。「Windows Server 2008の全機能がそろっており、仮想化機能や新しいハイパーバイザーも含まれている。いまや顧客は、こうした機能を試用する機会を得た」と述べている。
Windows Server 2008には、すでに数カ月の遅れが生じている。Microsoftは8月に、2007年内に完全な製品版を出荷する当初の予定が、2008年までずれ込んだことを明らかにした。
8月にMicrosoftは「優れた製品を顧客に出荷することこそ、最も優先されるべきである」と語り、最新ビルドの全体的品質にはかなり満足しているものの「もう少し時間を費やして、顧客やパートナーの期待に見合った、高い品質レベルを実現したい」とのコメントを出した。同様のコメントがRC0発表でも繰り返されていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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