シャープとパイオニアは9月20日合同の社長会見を行い、業務、資本提携に関する合意書を締結した発表した。
今回の業務、資本提携は、シャープの液晶、ネットワーク関連技術やパイオニアが得意とする音響、カー関連製品といった、お互いのリソースを積極活用しあうことで、新事業の創出、企業価値の向上が図れるとの判断のもと行われたもの。
両社は「現時点での経営統合はない」としており、従来同様に独立経営を行っていく。資本提携は12月20日に行われ、これによりパイオニアの筆頭株主はシャープとなる。
会場にはシャープ取締役社長 片山幹雄氏、パイオニア取締役社長 須藤民彦氏の両社長が列席し、まずは片山社長が今回の提携について述べた。
「業界動向がハイスピードで変化する中、すべてを自社でまかなっていくことは困難で、そのために商機を逸してしまう可能性もあります。自社に足りない技術やノウハウを補うために、戦略的な提携を以前から考えていました。
ただし、提携するのはどんな相手でもいいわけではなく、1+1=2以上になる、お互いがプラスになる相性の良い相手でなければならない。パイオニアと弊社は日本初、世界初の製品を数多く開発するなど、他社にないものを作ろうというモノ作りの姿勢が大変よく似ていると感じます。
創業以来受け継がれてきたよく似たDNAを元に、双方の企業価値を上げていきたいと思います」。
続いてパイオニアの須藤社長は「かねてから良い提携先がほしいと考えていました。今回の業務、資本提携により、より事業の強化や独創的な製品の開発を行うことでお互いの企業価値を向上していきたいと考えています。
現在プラズマテレビのみとなっているディスプレイですが、今回の提携により液晶をラインアップに加えることも現実的となりました。また、新たなカーモバイル提案など、両社の得意分野を生かした提案を行っていきたいと考えています」と話した。
記者会見では、東北パイオニアが製品化し、シャープ側でも研究開発に着手している有機ELの製品化について注目が集まったが、「共同開発のテーマにしていきたい」と片山社長は語った。また、シャープ側でのプラズマディスプレイ発売については「可能性は多分ない」とした。
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