エンタープライズソフトウェア大手のSAPは米国時間9月19日、中間市場向けのオンデマンドサービスである「SAP Business ByDesign」を発表した。Salesforce.com、NetSuite、そして長年のライバルであるOracleとのオンデマンドサービスの競争に本格的に参入することになる。
このサービスは、SAPの事業を中間市場に拡大するだけでなく、これまで競合に後れを取っていたホステドアプリケーションの分野への進出を狙ったものでもある。
Business ByDesignは、財務から(商品などの)仕入れや顧客関係管理(CRM)ソフトウェアにいたる幅広いオンデマンドアプリケーションをダッシュボード経由で提供する。サービス価格は、ユーザー1人あたり月額149ドルに設定されており、最低購入単位は25ユーザー以上である。また、同ソフトウェアで勤怠管理や受注確認など限られた機能のみを必要とする顧客に対しては、5ユーザー単位で月額54ドルである。
「私はSAPに25年勤務しているが、これは私のキャリアの中で最も重要な発表である」と、SAPのチーフエグゼクティブであるHenning Kagermann氏はニューヨークで開催された記者会見の席で語った。「われわれは新しいビジネスモデルを立ち上げるためにこの製品を設計した。これはビジネスソフトウェアを設定、開発、実装するための新しい方法だ」(Kagermann氏)
中間市場には、従業員数が約100〜500人で、ビジネスソフトウェアを運用するための高度なIT部門を必要としない、あるいはこれを望んでいない企業が含まれるとKagermann氏は言う。しかし、業界の中で特定の市場区分に根付いてサービスを提供しているSAPの中間市場の顧客は、おそらくByDesignの導入を見合わせるだろうとも述べている。
SAPでは現在、米国とドイツで20社の顧客がByDesignのパイロットプログラムに参加しており、また中国、フランス、英国の顧客ともサービスを検証している。SAPは2007年内に顧客ベースをこれらの地域に拡大していく計画であり、2008年にはオーストラリア、インド、イタリア、オランダ、北欧地域、南アフリカ、スペイン、カナダ、メキシコの市場にも進出する計画である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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