公式な姿勢としては、VMware は自社の中核技術について、深刻なセキュリティ上の問題は今のところまだ生じていないと断言している。
しかし、9月11日から13日までサンフランシスコで開催されたユーザーカンファレンス「VMworld 2007」の展示会場には、Catbird NetworksやBlue Lane Technologiesなど、仮想マシンのセキュリティを専門とする新興企業が参加していた。
Catbirdはカンファレンス会場で、「素っ裸で走るような無防備な運用」の危険性、つまり仮想マシンのセキュリティにほとんどの注意を払っていない危険性を、VMwareのユーザーに訴えるマーケティングキャンペーンを展開した。
VMwareの了承のもとに、同社は仮想化技術のユーザーのうち3分の2が「無防備な運用」のままになっていると主張した。
Catbirdのセールスエンジニアリング担当ディレクターを務めるHoward Fried氏は次のように語っている。「これは、仮想化業界にとって恥ずべき小さな秘密だった。セキュリティへの取り組みはまったく後回しにされているようだ。仮想化への移行がこんなふうに大々的に進む中で、物理サーバに適用するのと同じセキュリティポリシーは使えないことを、誰も理解していないように思える」
「結局のところ、ハイパーバイザにはまだまだ改善の余地がある」とFried氏は言う。VMwareのRosenblum氏によれば、セキュリティを手がける新興企業の発言は「やや我田引水の傾向がある。その企業自体が、セキュリティ問題に対処するためのソリューションを売り込みたがっているからだ」という。
とは言うものの、仮想マシンのセキュリティに関するユーザーの不安を鎮めるため、VMwareも独自の取り組みを図っている。
同社はVMworld 2007において、ハイパーバイザの最新版「VMware ESX Server 3i」をIBM、Dell、Hewlett-Packard、NECなどのハイエンド向けハードウェアに組み込んで出荷することを発表した。
セキュリティの観点から見ると、ESX Server 3iは旧版よりも大きく進歩している。11月に発売予定のこの最新版では、従来組み込まれていた管理コンソールが省かれている。このコンソールは、「Red Hat Linux」の技術に基づくものだった。
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