Dell創業者のMichael Dell氏は、同社の会計士が、四半期の目標数値達成のために会計を不正に調整したことが明らかにされて以来、この破廉恥なスキャンダルについて口をつぐんできたが、今回初めて公にコメントした。
米国時間9月5日にニューヨーク市で開催されたCitigroup Technology Conferenceにおいて、Dell氏は、一連の不正会計には一切関与しておらず、2003〜2006年中の同社会計部門の実態については把握していなかったと語った。
「わたしは不正会計に全く関わっておらず、知るよしもなかった。社内でこうしたことが起きてしまったことは、当然ながら決して自慢できることではないが、今でもDellが立派な会社であると誇りに思っている」と、Dell氏はコメントしている。
Dell氏はそう語ったが、不正会計について、Dellの上級幹部は認識しており、水増しを促したケースさえあったことを、すでに会社としては認めている。Dell氏は、このようなことが再び生じることがないように責任を果たしてきたと語る。
Dell氏は続けて「人材、リソース、システムのいずれが問題となるにせよ、この件について十分に調査し、完全に問題を取り除くため、一連の異例のプロセスを踏んできたと、私は感じている。現在、Dellの社内に存在するのは、捜査によって指摘されたあらゆる問題を受け止めて前に進み、さらなる将来の成長について考えている、新たなチーム組織である」と述べている。
しかしながら、実際のところは、たとえDellが社内監査を終えたからといって、まだこの問題を片付けて前に進むことなどはできない。証券取引委員会(SEC)による調査が、依然として続いているからだ。
Dellが、コンシューマー向けPC市場で最近悲惨な状況に直面していることについてもコメントが得られた。Dell氏は、コンシューマー市場での売上は、Dellの全売上の15%を占めていることを明らかにしたが、これは同市場においてDellが占めるべきポジションを「決して十分に反映した数字ではない」と述べた。Dell氏によれば、コンシューマー市場へのアプローチを、Dellは根本的に練り直しているところであり、その一例として、(かなり出荷が遅れてはいるものの)ノートPCの「XPS M1330」などの新たな製品群を挙げられた。同じ製品カテゴリに位置づけられる「他の数種類の製品」が間もなく発表される可能性についても、Dell氏は言及した。
出荷遅れの製品については、新しいXPSおよびInspironシリーズのノートPCでも同じ問題が生じていることを明らかにしたが、塗装に関連した問題については、不思議なことに何の説明もなかった。Dellの単なる計画不足が露呈してきており、半年前に新たなノートPCの需要を検討する際に、Dellが計算を誤ったことが示されている。「出荷遅れの問題は好ましいものではないし、ストレスになっている。でも、これはどうすれば解決に至るのかを把握できている問題だ」と、Dell氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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