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ポスト検索の道は何が切り開くのか:グーグルキラーを探す

文:Bernard Lunn 翻訳校正:吉井美有2007年08月21日 08時00分
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 検索市場は「ゲームオーバー」だという前提から話を始めよう。Googleは勝利した。Googleの優位性については、このRead/WriteWebへの投稿で十分に説明されている。Googleキラーがもし存在するとしても、それは次のような検索業界への新規参入者ではないだろう。

  • 面白い新機能:新しいユーザーインターフェース、アラート、見せ方などのことだ。問題は、よい機能が1つあるだけでは、Googleのユーザーを乗り換えさせるのには十分ではないし、複数の検索エンジンを使うような時間や動機を持つ人などいない。この分野で、新興企業はどこに賭けたらいいだろうか?安く作って、GYM(Google-Yahoo-Microsoft)に研究開発案件として売ることだろう
  • 自然言語処理:この分野には大きな資金が投入されている。これは間違ったことのように思える。人間にとって簡単な問題を解決するために、扱わなければならない研究課題が大きすぎる。そして、Web 2.0は大きくなる一方の知識労働者の世界的なプールをかなりうまく集約しつつある。新興企業が成功する道は、技術的なブレイクスルーを目指して大量の資金を調達することか(個人的には、同じお金なら癌の治療法の研究に使った方がいいように思える)
  • 分野別検索と人力検索。わたしならこの2つを組み合わせる。人力検索は、明確に定義された分野の中で最もよく機能する。うまく動いている分野別の検索エンジンは既に多くあるし、今後も登場するだろう。この分野では新興企業の勝ち目はどこにあるだろうか。1つの分野で指導的位置を獲得し、Googleユニバーサル検索という名のサービスに踏みつぶされる前にそれをGYMか伝統的な大規模メディア企業に売ることだろう

 Freebaseが大きなブレイクスルーになる可能性はある。しかし、まだベータ版に過ぎず、判断は難しい。また、Freebaseは検索の定義を広げすぎているという問題も抱えている。あるいはそれがポイントなのかもしれない。つまり、「よりよい検索」ではなく「検索の次にくるもの」がGoogleキラーになるということだ。

検索の次にくるものとは

 検索が「ゲームオーバー」なら、新興企業が解決するべき新しい問題は何だろうか。「ポスト検索」の市場はどこだろうか。見るべき場所は、Google検索の「後で」何をするかだ。検索は普通、われわれが行っている調べ物の一部だ。検索(Search)は調べ物(Research)の一部に過ぎないのだ.

 調べ物には、簡単なものからこみいったものまで、4つのレベルがある。

レベル1:簡単で個人的なもの。Google検索でも行えることだ。Firefoxの将来のバージョンやサードパーティの拡張機能には、より賢いタグベースのブックマークツールがある。この機能は、過去に行った検索を保存し、分析し、取り出す方法を改善する。

レベル2:小チームによる調査。現在このプロセスは完全にバラバラで、われわれはブックマークやWord、Excelへのカットアンドペースト、電子メールに頼っている。Del.icio.usはソーシャルブックマークで何ができるかを示してくれたが、秘密性が重要な場面ではオープンすぎて使えない。これまでのところ、最もよい例はMa.gnoliaだろう。この分野では課題がまだ山のように残っている。その課題を突破したツールは、レベル3や4にも適用できるだろう。

レベル3:エンタープライズ2.0ツール。ここでは、複数のチームやアウトソースされたチームが共通のワークフローで働く段階に踏み込んでいる。現在主流のエンタープライズ2.0ツールであるやWiki、ブログ、RSSは、これまでのものに比べれば大きく改善されている。しかし、これらは本格的な企業規模の調査プロジェクトで求められる構造は提供していない。考えられる方向性としては、構造化ブロギングセマンティックWikiマイクロフォーマットなどがある。エンタープライズ2.0にはまた、統合も必要となる。誰かが、Dapperのようなクロウラーや調査ツール、公開ツール(ブログやWiki)などのスタック全体を構築し、サポートする必要がある。このレベルでは、可視化を行い、「知識のグラフ」を活用することが、ハイパーリンクに加えて不可欠になる。

レベル4:大きな問題の検討。次のステップは、1つの大きな問題に取り組む、規模の大きいコミュニティの発生だ。これは、ソーシャルネットワーキングと共通の性質を持っているが、これらの「研究ネットワーク」が医療や教育、貧困削減など、地球規模の大きな問題に取り組んでいるという点が異なる。インターネットは、人間の能力を素晴らしく拡大してくれる。もちろん、インターネットは企業がものを売る方法を改善したり、われわれの注意不足の退屈した精神をくすぐるゲームを提供したり、土曜日の夜にデートにこぎつけるのを簡単にしたりすること以上に役に立つものを提供できる。Moveon.orgはこの例だろう。また、政治的な色を取り除き、新しいツールを活用してアメリカの教育危機のような課題を解決するというのはどうだろうか。

調べ物をするうえでの要件

 調べ物のための基本的な検索機能は、「ショッピング」としても知られる消費者行動とは異なる。こうした認識に立てば改善が可能になるだろう。YahooはMindsetと呼ばれるサービスを持っており(残念ながら「ベータ版の洗礼」にはまりこんでいるようだが)これは「購入のための検索」と「調べ物のための検索」の違いをうまく示してくれている。

 わたしはこの種のツールの利用者層となる典型的な「アーリーアダプター(初期採用者)」だ。わたしの利用はレベル1とレベル2に及び、いまは将来のプロジェクトのためにレベル3の種類のツールを探している。わたしは、これらのツールがより複雑な要件に対応しうるレベルへ容易に到達するはずだと考えている。わたしが求めているのは、次のようなものだ。

  • それが役に立ち、安定していることがサーバ版で明らかになるまでは、ダウンロードは一切したくない(Firefoxの拡張プラグインでさえ)
  • 「すぐに役に立ち、どうやって使えばいいのか頭を悩ませずに済む」という条件に当てはまるものである
  • 個人的な調べ物ツール(レベル1)は無料であってほしいが、レベル2の協調ツールには少額なら払う準備がある。このため、「freemium」アプローチが可能かもしれない。(ただし、プライバシが厳格に守られる限り、サービスの開放により事業者が得る「意図のデータベース」には大きな潜在的価値があるため、はるかに大きな役割を果たすかもしれない)

結論

 R/WWの読者の多くが、新しい技術やマーケットについて、この種の調べ物を多く行っていることだろう。読者の意見を聞かせてほしい。読者も同じような問題に直面しているか?どんなツールを便利だと感じているのか?要件リストに合致する製品はあるだろうか?あなたならどんな要件を加えるだろうか?

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