Plaxoが新SNS「Pulse」ベータ版を公開--目玉機能は「People Feeds」 - (page 2)

文:Caroline McCarthy(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、佐藤卓、小林理子2007年08月07日 21時57分

 Pulseにはマイクロブログの影響が見られるのは明らかだが、その真に中心となる機能は「People Feeds」、すなわち多くのソーシャルメディアサイトからのRSSフィードの組み込みだ。そのほとんどがただユーザー名を入力するだけで追加できる(ミニ情報:選択リストで「ブログ」オプションを選んでからフィードのXMLアドレスを入力すれば、通常のRSSフィードを共有することもできる)。

 今のところ、Pulseの「People Feeds」が対応するサービスは、一般ユーザーの間で人気がある一部サービスおよび、時代の先を行く最新の分野に属しているといえる少数のサービスに限られている。具体的には、Amazon.comのウィッシュリスト、AOL Pictures、del.icio.us、Digg、Flickr、Jaiku、Last.fm、LiveJournal、MySpace.com、Picasa、Pownce、SmugMug、Tumblr、Twitter、Webshots、Windows Live Spaces、Xanga、Yahoo 360°、Yelp、およびYouTubeだ。

 Plaxoによると、Pulseのベータサービスではまもなくさらにフィード機能を増やしていくという。現在のフィードの更新は、私が期待するほど迅速ではないが、おそらくこれもまもなく解決される予定のベータ機能の1つなのだろう。

 Pulseには、1つまるで理解に苦しむ機能がある。RSSフィードを集め、その全体にプライバシー保護を設定できる機能がそれだ。こんな設定をしたところで、当のフィードの多くは、そもそも本質的に公開のものではないか。

 ユーザーにとっては、将来の雇用主には見られたくない投稿もあるだろう。どのレストランのカクテル付きスペシャルランチがおいしくて、午後をずっとほろ酔いのいい気分のまま職場で過ごせるかについて、レビューサイトのYelpにたくさん投稿しているといったような場合だ。しかし、Pulseでそのフィードを共有設定するときに「ビジネス上の相手」のチェックを外したところで、Yelpのフィードというのは厳密に言えばすべて公開されているものだ。したがって、くだんの将来の雇用主は、Yelpのようなサービスをメールアドレスでチェックするといった方法で、Pulseなど使わなくても簡単に未来の従業員の投稿を見つけ出せるはずだ。この点でPulseは、一部ユーザー、とくにソーシャルサイトの世界をほとんど体験したことのないようなユーザーに、誤った安心感を与える危険性がある。

 Pulseは、現在のところ厳格なビジネス界で名声を得ているネットワーキングサイトであるPlaxoに、親しみのある一面を加えるという点で、かなりのメリットをもたらす可能性がある。キュートなスマートフォン「BlackBerry Pearl」のPlaxo版といったところだろうか。Pulseを支える技術には真に革新的なものなど皆無だが、Pulseは、マイクロブログやRSS収集といったコンセプトを、技術にうといお母さんでさえ簡単に理解できるような方法で提示してくれている。

 なにはともあれ、Pulseは「マイクロブログ」というモデルが、まだ勢いを失ったわけではないことの証しではある。Twitter、Pownce、Tumblrといったサービスは、既存の枠にとらわれない画期的サービスとしてソーシャルメディア好きからは歓迎されているが、平均的なWebユーザーの関心を広く引きつけるまでには至っていない。あまりテクノロジに興味のない友人たちがすぐにTwitterを利用しだすようなことはたぶんないだろうが、Pulseは、同じようなコンセプトでもテクノロジ嫌いの人々の関心を引ける可能性があることを示すものだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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