米調査会社comScoreは米国時間7月31日、世界の人気ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の成長ぶりを示す統計を発表した。その統計からは、人気SNSの成長の速さと、どのサイトが世界のどの地域で優位に立っているかが分かる。世界各地でさまざまなSNSが利用されていることを示す資料はたくさんあり、利用状況を示す地図も作成されている。そのため、今回の統計で特に注目すべき点はない。しかし、数字を調査することは常に意味のあることであり、comScoreのような企業が存在している第一の理由もその点にあると考えている。
今回の統計のメインは、世界のSNSの成長ぶりを追った一連の数字だ。2006年6月と2007年6月を基準点とし、その間の7つのSNSの成長が示されている。今回調査対象となったのは、MySpace、Facebook、Bebo、Orkut、Hi5、Friendster、Taggedの7社だ。その中で最大の成長を見せたのは、サンフランシスコに拠点を置き、7つSNSの中でも比較的小規模で新しいTaggedだ。同サイトのユニークビジター数は、2006年6月時点では150万6000人だったが、2007年6月には774%増の1316万7000人に達した。その理由は恐らく、単にTaggedの知名度が最近まで低かったからだろう。Taggedが創設されたのは2004年だが、同社が初めてベンチャー投資資金を獲得したのは2006年2月だった。
またFacebookも(予想した人もいるかもしれないが)大幅な成長を遂げた。同サイトのユニークビジター数は、2006年6月の1408万3000人から、2007年6月には270%増の5216万7000人に達した。またcomScoreの統計によると、同時期のBeboの成長率は約172%で、Orkutは約78%だった。
Friendsterは、少なくとも米国では「落伍者」とみなされているかもしれないが、comScoreの統計によると、Friendsterと最大手のMySpaceの成長率はほぼ互角だ。調査期間中のFriendsterの成長率が65%だったのに対し、MySpaceは72%だった。ただ、そうは言っても、ユニークビジター数で見ると、Friendsterが約1500万人から約2500万人に増加したのに対し、MySpaceは約6650万人から1億1400万人以上に増加した。つまり、両社の成長率はほぼ同じでも、規模が全く異なっているのだ。
また、大変興味深いのは、以前SNS界で人気急上昇中との噂を耳にしたHi5の成長が他のサイトに比べて遅い点だ。2006年6月から2007年6月までの同サイトの成長率はわずか56%だった。
またcomScoreは、各SNSを世界のどの地域のユーザーが利用しているかを示す統計も発表した。上記の7つのSNSの中で、全世界に最も「バランスよく」ユーザーベースを抱えているサイトはTagged とHi5だ。comScoreの統計によると、Taggedが世界の各地域に抱えるユーザーベースの内訳は、北米が22.7%、中南米が14.6%、欧州が23.4%、アフリカと中東が10%、アジア太平洋地域が29.2%だった。同様にHi5の場合は、北米が15.3%、中南米が24.1%、欧州が31%、アフリカ、中東が8.7%、アジア太平洋地域が20.8%だった。
それに対しMySpaceとFacebookは、ユーザーの大半を北米に抱えており(MySpaceが62.1%、Facebookが68.4%)、欧州のユーザーの割合も高い(MySpaceが24.7%、Facebookが16.8%)が、他地域のユーザーの割合は一桁台に留まっている。また英国で最も人気の高いBeboは、MySpaceとFacebookとほぼ反対で、欧州のユーザーが全体の62.5%と多く、北米のユーザーが21.8%で、その他の地域のユーザーはほとんどいない。
Orkutは、ユーザーベースが事実上ブラジルとインドに限定されていることで知られる。そのため、同サイトはユーザーベースのほぼ半数を中南米に抱え、もう半分がアジア太平洋地域で、その他の地域のユーザーは皆無に等しい。一方、ユーザーベースが1つの地理的市場に最も偏っているのがFriendsterだ。同サイトはユーザーベース全体のおよそ89%をアジア太平洋地域に抱えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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