すでにYouTubeは日本でもいくつかの企業とパートナー契約を結んでいる。
この日の説明会では、以前からコンテンツを提供していたスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)や東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)に加え、ミクシィ、GDH、吉本興業、カシオ計算機などがYouTubeに関わる自社サービスの取り組みを語った。
「YouTubeの多様性はスカパー的だ」と話すスカイパーフェクト・コミュニケーションズ執行役員専務の田中晃氏は、YouTubeの登場によってコンテンツの楽しみ方に多様性が加わったという。
「この流れはせき止められるものではない」として、積極的に協業していく姿勢だ。ただし、違法なコンテンツへの対策はGoogleに強く求めていく方針。
パートナーになることでよりスピーディーに違法コンテンツを削除できることから、「YouTubeの懐に入って防衛している」(田中氏)
TOKYO MXはキー局を持たない東京ローカル局だ。取締役技術局長 兼 総合デジタル局の田沼純氏は、つかみどころがない東京の視聴者に対していかにリーチしていくかを検討していたところにYouTubeが立ち上がったのを見て、「これはいいんじゃないか」と直感的に感じたという。
「他の民放はネガティブな部分を見てお付き合いをしていないようだが、我々はポジティブな部分に着目して『出せるものは出していこう』と考えた」(田沼氏)。
その結果、TOKYO MXは地上波放送局で初めてYouTubeにブランドチャンネルを開設した。
GDHは「GONZO DOGA」というアニメーションレーベルを展開している。
取締役副社長兼COOの内田康史氏は、「当初はYouTubeに違法コンテンツが流れていたが、これは逆にいえば大きなビジネスチャンス」と語る。まずは閲覧しているユーザーがいる事実を重要視し、YouTubeとの契約に踏み切った。
「新しいメディアは決して敵になるものではなく、いかにアジャストして、学ばせてもらい、ビジネスにしていけるかが大事」(内田氏)
吉本興業はYouTubeから新たなタイプのクリエイターが登場することを期待しているという。8月2日に新たな2つのメディア「吉本興業」「ZZZ.TV」を立ち上げた。
ZZZ.TVでは、インテルなどと共同で設立したベルロックメディア制作の動画などをアップロードする予定だ。執行役員 経営・財務戦略室長の中多広志氏は「数多くのお笑いコンテンツをYouTubeで楽しんでいただけるようにしたい」と語る。
ミクシィが運営するソーシャルネットワーキングサービス「mixi」はYouTubeと相性が良い。
サービス企画部マネージャーの有野寛一氏によれば、mixiの日記投稿数は1日につき110万件に上るという。mixiの会員数約1100万人であることから、10人に1人が1日に1回日記を書いていることになる。
さらにYouTubeドメインを記述した日記は1%前後を占めているそうだ。これを受けてミクシィは、8月2日よりYouTubeと連携し、YouTube動画を日記に貼り付けられるようにした。
YouTubeのトラフィックの多くは米国以外からもたらされている。なかでも日本は米国に次いで2位の規模。そのためGoogleは日本を戦略的に重要視しており、「今後も継続的にYouTubeを日本で展開していく」(David Eun氏)方針だ。
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