ミクシィは7月31日、2008年3月期第1四半期の決算を発表した。運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」、求人サイト「Find Job!」がいずれも順調に推移し、売上高は2.4倍、営業利益、経常利益ともに2倍の成長となった。
2008年3月期第1四半期(2007年4月1日〜2007年6月30日)の売上高は21億4928万円(前年同期8億8106万円)、営業利益は9億1122万円(同4億5252万円)、経常利益は9億1389万円(同4億5273万円)、純利益は4億9642万円(同2億6318万円)。売上のうち、mixiが18億1566万円と84.5%を占めた。
主力事業であるmixiのユーザー数は2007年7月末時点で1100万人に上る。2007年6月末時点の月間ページビュー(PV)は、PC版が64.8億PV、モバイル版が52.7億PVだ。2007年3月末時点(PC版:69.1億PV、モバイル版:40.3億PV)と比較すると、落ち込むPC版に対してモバイル版の好調が際立つ。モバイル版がPC版を上回る可能性も今後は十分にあり得ると見られる。
これについてミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は、「昨年、mixiモバイルでメッセージの送受信ができるようにするなど機能強化を図ったことで、従来PCを利用していたユーザーもモバイル版を利用するようになった」と説明している。
ただ、PC版はアクティブ率の低下も課題となり始めている。笠原氏によると、最近mixiに参加したユーザーと2004〜2005年に利用を開始したユーザーはアクティブ率が高いそうだが、2006年に加入したユーザーのアクティブ率が伸びていないという。その理由は、「最近のユーザーのアクティブ率が高いのもあるが、1つは2006年はmixiの伸び盛りであったため、興味本位のユーザーが多かったのではないか」(笠原氏)ということだ。
PC版のサイトの明るい話題は「mixi動画」だ。投稿総数は約75万本にのぼり、日本で最大だという。さらに、「世界的にみてもこの規模のサービスはほとんどない。YouTube、MySpaceに次ぐレベルではないだろうか」と笠原氏は述べる。
動画投稿サービスといえば、さきごろヤフーが「Yahoo!ビデオキャスト」で発生する楽曲使用料をJASRACに支払う方針を決定したばかりだ。ミクシィもJASRACと協議を続けているものの、「報告できるような進捗はない。引き続きコンタクトを取りながら話を続けて行きたい」とコメントするにとどめた。
PC版とモバイル版でユーザー行動に差が出始めたが、広告単価(売上/PV)はどちらも上昇。PC版は0.069円〜0.077円、モバイル版は0.019円〜0.021円の間を推移しているという。
同社は引き続きSNSをはじめとしたインターネットサービスが拡大し、広告市場も順調に成長していくと見ている。2008年3月期(2007年4月1日〜2008年3月31日)の業績予想は変更せず、通期売上高は97億円(前期比84.9%増)を見込んでいる。
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