出井氏:答えはイエスでもあり、ノーでもあります。
大企業には時間をかけて蓄積してきたものがたくさんあります。ものというのは、物理的な「物」ではなくて、文化的なものとか、エンジニアの気質などを指します。
イチローにゴルファーになれとは言えません。同じことが大企業にもあてはまります。ソニーはAppleになれませんし、Appleもソニーになれません。違う文化、異なるスキルセットをもった人の集まりだからです。
ジョイントベンチャーをつくり、他のカルチャーを取り入れたりしない限り、大企業にとって、変革することはとても難しいです。
ソニーのルールブレークの歴史を振り返ってみましょう。ソニーは、Sony MusicとSony CorporationのジョイントベンチャーであるSony Computer Entertainmentで成功を収めました。また、6年間で、業界4位の地位に浮上したSony EricssonもEricssonとソニーのジョイントベンチャーです。
出井氏:従業員数は大きな問題ではありません。しかし、過大評価されている会社はときとしては自らのアイデンティティを忘れてしまうことがあると思います。
あなたがGoogleのCEOだったとしましょう。あなたは、いつも市場からの期待、つまりは時価総額を気にかけることでしょう。今や、Googleの時価総額の方がトヨタ自動車より高いくらいですから、それに見合う売り上げを上げて、時価総額をいかに正当化するかを意識しなければなりません。
Googleは非常に難しい局面を迎えていると思います。
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