カリフォルニア州サニーベール発--AMDは、2009年にサーバ市場向けの新チップデザイン、そして2007年中には4コアチップ「Barcelona」の高速バージョンを公開する。同社幹部らが米国時間7月26日に明らかにした。
AMDにとっては、4コアBarcelonaチップを市場に投入することが当面の目標となる。同社は既に、2GHz版のBarcelonaチップを今四半期中に発売する計画を明らかにしている。だがほかにも、第4四半期には同チップの高速バージョンの出荷計画がある。AMDのサーバ製品事業部担当コーポレートバイスプレジデントRandy Allen氏が、シリコンバレーの同社本社で行われた技術アナリスト向け説明会で明かした。
2GHz版発売のタイミングは、4コアサーバチップのBarcelonaの早いデビューを予想していたアナリストを失望させた。同4コアは、サーバチップの平均販売価格引き上げのためにAMDが何としても必要としているチップ。Intelは、2006年後半にデュアルコアチップ2基をパッケージ化した自社独自の4コアチップを発売し、AMDの利益を奪いつつある。一部には、デザインが洗練されていないとする純粋主義的意見もあったが、顧客はあまり気にしていないようだ。
Barcelonaには3つのタイプが用意される、とAllen氏は語っている。主力バージョンは個数ベースでAMD製4コアチップの77%を占めることになり、2GHzの動作速度でデビューする。より消費電力効率の高いバージョンは1.9GHzでデビューし、その後年内には高速化され、第4四半期にはハイパフォーマンスバージョンが2.3GHz以上の速度で登場するという。
また、AMDは、同社が堅実なロードマップを用意していることを顧客に示す必要もあるため、26日には将来登場するチップの詳細についても明らかにした。
「Shanghai」は、AMDの45ナノメートル製造技術で製造されるBarcelonaの縮小バージョンとして2008年に登場する予定だ。ShanghaiとBarcelonaは、いずれも既にAMDのデュアルコアチップ用に用意されたチップセットに対応する。
その後、AMDは2009年に、「Sandtiger」というコード名の新しいコアデザインと、DDR3メモリ採用のタイミングに合わせた新しい基盤プラットフォームを投入する、とAllen氏は語っている。AMDは内蔵メモリコントローラのデザインを採用しているため、主流になるメモリ標準が新しくかわる度にコントローラの調整が必要になる。
Sandtigerは、Allen氏が「Direct Connect 2」と呼ぶ新デザインを採用する。Sandtigerでは、各チップのHyperTransportリンクが現行の3つから4つに増えており、AMDの設計によるサーバチップセットが採用される。
米国時間7月26日午前10時5分更新:Sandtigerが45nm製造技術を使った8コアプロセッサになることがその後判明した。Barcelonaと同様、Sandtigerも8コアすべてを1つのチップに集積するモノリシックデザインを採用する。
チップの大きさを尋ねたところ、AMDの最高技術責任者(CTO)、Phil Hester氏は笑顔を見せ、ダイサイズについては明言を避けたものの、「コスト的に魅力的」なものになることを約束した。チップが大きければ大きいほど、1枚のシリコンウエハから切り出せるチップの数が減るため、プロセッサの表面積は製造と利益にとって非常に大きな要因となる。In-StatのアナリストJim McGregor氏は、同世代より根本的に新しい(そして小さい)コアデザインをAMDは用意する可能性が高いことを示唆した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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