Advanced Micro Devices(AMD)のシニアエグゼクティブが、近日発売予定のクアッドコアプロセッサ「Barcelona」について、ユーザーからのフィードバックを元に設計したと語った。
同社の南アジア担当テクノロジーディレクターTan See Ghee氏は、シンガポールで当地時間7月5日に行われたメディア向け説明会で、ユーザーからのフィードバックに注目して設計上の目標を4つ立てたと述べた。
1つ目の目標は、一貫したプラットフォームとロードマップの実現である。Tan氏は「これは真っ先に(ユーザーから)耳にする事柄だ」と述べ、これまで以上に、将来的な開発を考慮して製品を提供することが競争力を保つことにつながるとした。
同氏は「ユーザーは、現行(の製品)から次の製品に移行する際に判断材料となる、プラットフォームの変更やロードマップについて心配する必要がある。そこでわれわれは、デザイン目標を設定する時点から、バックエンドの変更や移行のコストを最小化し、非常に明確な移行計画を提供することにした」と述べた。
2つ目の目標は、シームレスなアップグレード性の確保である。Tan氏によるとAMDのユーザーは、チップセットやベンダーの変更など「大がかりなアップグレード」をしたくないと考えており、コストがかさむ変更や、それ以上に、サポートの問題を引き起こすような変更を望まないという。
同氏は「現在、IT関係者は特定のプラットフォームやチップセットについて詳細な知識を持っているかもしれない。(しかし)まったく新しいプラットフォームに移行しなくてはならない場合、サポートコストが増える」と述べた。
3つ目の目標は、消費電力の管理と発熱の最小化に関するものである。Tan氏は「次世代製品のパフォーマンスが向上しているのは当然だと考えられているため」現行世代と同じか、より少ない電力を消費する次世代製品を提供することが「明確で即効性のある特色」になると述べた。
同氏は、AMDユーザーはまた、ボトルネックのないスケーラブルな製品を望んでいるとして「大幅な速度向上の下地がないセグメントもあるが、(その一方で)それ以外のセグメントには、システム設計上の制限によるボトルネックが存在する」と述べた。
数カ月におよぶ熟考の末AMDは、クアッドコアプロセッサBarcelonaを2007年8月に発売すると発表し、発売延期の噂が事実であると認めた。
最初に発売されるモデルは標準バージョンと省電力バージョンで、最大2GHzのクロック周波数で動作する予定。高性能バージョンは第4四半期に発売が予定されている。Barcelonaプロセッサを採用した最初のサーバは、9月に出荷を開始する予定。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス