ボストン発--ConnectUが同じソーシャルネットワークサイトのFacebookに対して起こした知的財産をめぐる訴訟で、裁判官がConnectUに送ったメッセージは明快なものだった。証拠を見せろ、というのがそのメッセージだ。
アイデアを盗んだとしてFacebookを訴えているConnectUは、競合するFacebookの創設者で最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏、設立当初従業員だった、Eduardo Saverin氏、Dustin Moskovitz氏、Andrew McCollum氏、Christopher Hughes氏と3年前から争っており、まだ裁判が終了する見込みはない。
マサチューセッツ州連邦地方裁判所のDouglas P. Woodlock裁判官は、発展途上にあったConnectUでプログラミングの作業をしたZuckerberg氏がビジネスモデルとコードを盗んだという申し立てを裏付ける十分な証拠がない、と何度も強調した。現在、Facebookの会員数が3000万人を超えているのに対して、ConnectUの会員数は10万人にさえ達していない。
Woodlock裁判官は、法律事務所Finnegan, Henderson, Farabow, Garrett & Dunnerに所属するJohn F. Hornick氏が率いるConnectUの顧問団に、訴状を修正しなければ裁判を進められないと告げた。「申し立ては事実に基づいていなければならない」と、Woodlock裁判官は述べている。秘密漏洩、詐欺、企業秘密の不正流用など多岐にわたる申し立ては、「きわめて希薄な説得力しかない」という。Woodlock裁判官は、ConnectUの創設者であるDivya Narendra氏、双子のCameron Winklevoss氏とTyler Winklevoss氏に対して、2007年8月8日(米国時間)までに修正した訴状を提出するよう求めた。また、Facebookには、回答期限としてその期日から2週間の猶予を与えた。
その結果、秋まで大きな進展が見られそうにないことから、7月25日の審問で申し立てが却下されて最終的に決着すると期待していた人は、失望したと思われる。
Woodlock裁判官はさらに、ConnectUの申し立ての中で最も有力な訴因である著作権侵害についても、根拠が薄弱だと指摘した。申し立ての大半は、FacebookやConnectUが正式に設立される前の、両社の創設者がいずれもハーバード大学の学生だった当時のことだというのがその理由だという。
「契約という点から見ると非常に弱い」とWoodlock裁判官は語った。確かに、Zuckerberg氏とConnectUの創設者たちの間に署名された正式な契約書はなかったし、「書面上の証拠」は電子メールとボイスメールの伝言に限られており、Woodlock裁判官は原告側に、修正後の訴状にはより有効な事実を記載するようにと促した。
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