Robertson氏とPaoli氏は15日に公表した公開書簡のなかで、ドキュメントのフォーマットは顧客が選択できるようにすべきだと主張した。これは重要な争点で、Microsoftの競合各社を勢いづけ、さまざまな巧言も生まれていった。
MicrosoftはOffice Open XMLにより、「Office 2007」が採用するXMLベースのドキュメントフォーマットの標準化を目指している。同社はこれらの仕様を国際標準化団体のEcmaに提出し、ほかのベンダーが参加して同団体がこれらに修正を加えた。現在ISOではこのEcma標準の標準化プロセスが進んでおり、Robertson氏によると、承認されれば2008年には手続きが完了するかもしれないという。
Robertson氏とPaoli氏は公開書簡のなかで、顧客はフォーマットが1つしかないより複数の選択肢がある方を好む、と主張している。
OpenDocument Format(ODF)は既にISO標準となっており、特に官公庁ではOpen XMLに代わる実用的選択肢となっている。ODFは、Microsoftと競合するIBMとSun Microsystemsが支持している。
一部には、Open XMLはODFほど開発プロセスがオープンでなく、技術的に脆弱な部分がある、との意見もある。ODFを支持するSam Hiser氏が6月に分析結果を公表した。
Robertson氏は、5〜10年後にはほかにも複数のドキュメントフォーマットが登場し、既存のフォーマットと共存するようになる、と断言した。
Paoli氏は、各種メディア用のファイルなど、フォーマットは分野ごとに複数存在する、と指摘している。異なるフォーマット間の変換も実用的選択肢であり、実際のところ、そこがXMLを採用するポイントの1つだと、同氏は加えた。
ドキュメント標準の選択は、デスクトップソフトウェアの選択にも関係してくるため、かなり重要になる。IBMやMicrosoftはこれを受け、デジタルドキュメントを長期的に利用しなくてはならない官公庁の顧客を中心に大々的なロビー活動を展開している。
メディアやブログでさまざまな議論がなされているOpen XMLとODFだが、これらの技術的なメリットについてはあまり語られていない。
そこから得られる利益と、「オープン標準」の定義が多岐にわたることを考えれば、多くの議論がMicrosoftや同社とオープンソースや標準との関係を中心に展開されているのは当然だとも言える。
市場は今後、おそらくオープン性と技術長所の両方も考慮に入れ、目的に適した1つもしくは複数の標準を確定することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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