長らく登場が待たれているMicrosoftの次期WindowsサーバOS「Windows Server 2008」だが、広く受け入れられるかどうかは仮想化機能が鍵になると、複数のアナリストが予測している。
以前は「Longhorn Server」(開発コード名)と呼ばれていたこのOSは、開発が長引いているが、2008年の早い時期に正式版のリリースが予定されている。
Longhornにとって初となるパブリックベータ版は、4月末の発表以来、ダウンロード数が10万件を超えている。しかし、複数のアナリストによると、このOSの鍵を握るのは仮想化アプリケーション「Viridian」(開発コード名)だという。
Microsoftによると、発売当初のWindows Server 2008にはViridianのベータ版が搭載され、その後180日以内に正規版が発表され次第、アップグレードされる予定だ。
調査会社OvumのアナリストDavid Bradshaw氏は仮想化の重要性を強調する。「仮想化技術は特効薬だ。そして、あらゆる特効薬と同様に、慎重な取り扱いが求められる」
Bradshaw氏によると、資産のさらなる有効利用を求められている企業の最高情報責任者にとって、仮想化は非常に価値の高い技術とのことだ。
Bradshaw氏は、最先端の企業、およびサーバOSの更新を予定している企業はWindows Server 2008を採用する可能性が高いとしたうえで、普及が進むかどうかは、ユーザーがどの程度までサーバOSを混在、適合させられるかといった問題に大きくかかっていると指摘した。「おそらく、企業の動きは非常に遅いだろう」とBradshaw氏は予測する。
一方、Butler GroupのシニアリサーチアナリストRoy Illsley氏は次のように話している。「デフォルトのサーバOSになると思う。時が経つにつれ、大きなシェアを占めるようになるだろうが、今後の課題となるのは仮想化だ」
Illsley氏は続ける。「それ(仮想化)がないなら、人々は製品を見て『メリットは何だろう?』と疑問に思うはずだ。仮想化は鍵となるメリットだ」
ただし、仮想化技術には既に多くの企業が参入しており、今後は「ちょっとした戦争状態」になると、Illsley氏はみている。
Illsley氏の予想では、「相当数」の企業が発売時にWindows Server 2008を購入するが、おそらくは試験的な利用で終わり、本格運用に使われる可能性があるのはわずか10%だという。
また、Illsley氏によると、企業が新しいOSへの移行に慎重になり、最初のサービスパックのリリースまで導入を待つ可能性もあるとのことだ。
それでも、MicrosoftはサーバOS市場において際立った存在感を持っており、移行の対象となるユーザーベースには強力なものがあると、Illsley氏は話している。
仮想化機能以外の新機軸として、Microsoftではコントロール機能とセキュリティ機能の改善を前面に打ち出している。
Microsoft UKのWindowsサーバ製品担当マネージャー、Gareth Hall氏は、顧客の反応には「この製品に対するかなり真剣な興味が認められる」と語る。
「話を聞くかぎり、かなり前向きとのことだ。ぜひ導入したいと考え、非常に積極的な姿勢を見せている。われわれにとっては心強い話で、今後についても楽観視している」とHall氏は話した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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