UPDATE ワシントン州レドモンド発--Microsoftは米国時間5月10日、同社の仮想化技術「Viridian」のリリースが遅れるのを避けるため、同技術の初期版から一部の機能を削減すると発表した。
Microsoftはこのハイパーバイザー技術の3つの主要機能を変更し、当初の計画通り、次期サーバ用OS「Windows Server」(開発コード名:「Longhorn」)が2007年末に完成してから180日以内にこれをリリースしようとしている。これらの機能はViridianの将来のバージョンに含まれる予定だ。Viridianの正式名称は、「Windows Server Virtualization」である。
Viridianの初期版から取り除かれようとしている機能の1つは、仮想マシンを動作中のまま別の物理サーバへと移行可能にする機能だ。またViridianの初期版は、メモリやストレージ、プロセッサおよびネットワークカードなどのコンポーネントを稼働中に増設可能にする機能にも対応しない。同仮想化ソフトウェアがサポートするマシンは、8つのデュアルコアチップもしくは4つの4コアチップなどプロセッシングコア数が最大16個までのものに限られる。
この動きは、Viridianの当初の目的を制限することになり、「Xen」や「VMware」といった有力な競合製品の陣営には余裕が生まれるだろう。
IlluminataのアナリストであるGordon Haff氏は、「彼らは自分たちの生存を守るために製品を完成させることができないだけだ。これから1年間にわたってライブマイグレーション機能なしでやっていくとなると、どうしても『時代遅れ』になる。Windows開発における一大問題と言ってよい」と指摘し、「仮想化技術の初期版に重要な機能を搭載できないことで、Microsoftの市場における位置取りはきわめて悪くなり、VMwareとの提携を真剣に考えざるを得なくなるのではないか」と述べた。
Microsoftの仮想化戦略担当ゼネラルマネージャーを務めるMike Neil氏は、同社はリリース計画を守るために厳しい選択を迫られていると、ブログに記している。
「計画通りの出荷も、重要な機能の1つと言える」(Neil氏)
Microsoftは2007年4月、Viridianの第1ベータ版のリリースを2007年前半から後半へ延期した。10日には、Viridianのパブリックベータ版をLonghorn Serverのメーカー向けリリースに同梱することも明らかにされている。
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