Daum Cafeはネットサービスにおいて、初めてバーチャルのコミュニティを形成し、多くのユーザーにコミュニティサービスとは何なのか、どれだけ面白いのかを認識させ、また彼らが日常生活の中で普通に使うように洗脳する役割を果たしたのである。しかし、コミュニティサービスを利用することがもはや日常の一部となってしまったユーザーは、当然ながらより付加価値のある、より使い勝手の良いサービスを求めるようになった。
そのようなニーズをつかんだFreechalは、ネットコミュニティサービスを使いこなせるようになったユーザーのため、より洗練されたデザインと機能を備えたウェブページを提供し、アバターやより簡単にコミュニティを作れる機能などの付加価値を加え、似たようなコミュニティサービスの短所をうまく補完したサービスを展開し始めたのだ。
考えてみれば意外と簡単な発想だ。例えば、日本で昔イタリアンレストランがあまりなかった頃は、味はともかくイタリアンを食べるという事だけで満足していたが、今のように本場のイタリアンレストランがあちこちに立ち並ぶようになると、人間はすぐ昔のことを忘れ、どうせならよりおいしくより本格的なイタリアンを食べようと探し始めるわけだ。
しかし、韓国のネットバブルがはじけ、ネット広告のほとんどが総合ポータルサイトの業界1、2位であったDaumやYahoo! Koreaに集中するようになり、サービスの運営に陰りが見え始めた。そこでFreechalは有料アバター制を導入しなんとか難を逃れるが、それだけでは満足できなかったのか、2002年10月、メインサービスであるコミュニティサービスを突然有料化した。当時Freechalには110万個のコミュニティがあったが、極端な有料化政策により、27万個のコミュニティしか残らないといった取り返しのつかない結果を招くことになった。
これは、多くのコミュニティ会員を確保しているのをいいことに、有料化への過渡期を経ることなく、急激な変化を求めすぎたFreechalの完璧な落ち度であった。さらに、経営陣が増資過程において不法行為を行った罪で拘束されるという事件があり、完全にユーザーの信頼を失うことになったFreechalは絶望的な状況に陥った。
現在韓国SNS業界1位のCyworldが、ネット業界においては前代未聞の有料アイテム販売により膨大な金額を売り上げていることを考えると、ユーザーが課金そのものに反発しているわけではないということが分かる。問題は、ユーザーサイドで考えたサービス戦略ではなく、企業サイドで考えた戦略であったというところにある。結局、コミュニティサービスを有料にした7カ月後、また元の無料サービスに戻したFreechalだが、一度離れたユーザーの心をつかむことは難しかった。
一方、1999年にオープンしたコミュニティサービスのCyworldは、設立後2年間は他のコミュニティサービスとの差別化を図ることができず苦しんだものの、2001年に個人型コミュニティサービス「ミニホムピー」をスタートすることによって新たな局面を迎えた。
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