mixiを超える存在は登場する--韓国SNSの歴史に学ぶ次の勝者の条件 - (page 3)

権倫永(ミュービック)2007年06月13日 04時30分
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 ミニホムピーとは、従来のホームページより作成しやすい小さなサイズの個人ホームページである。当時ポータルサイトが提供する無料ホームページサービスは作成が非常に難しく、作ったとしてもアップデートに手間がかかりすぎて放置しているユーザーがほとんどであった。しかしミニホムピーは簡単で分かりやすいメニューで構成され、写真、音楽、掲示板、足跡帳など関心があるメニューを簡単に作れるようになっている。

 ちょうど2002年からデジタルカメラやMP3プレーヤーのブームが起こり、個人が自分のミニホムピーのコンテンツを気軽に作れる環境が整っていた。というよりも、そのようなコンテンツをアップするスペースが必要だった。

Cyworldのミニホムピー Cyworldのミニホムピー

 Cyworldのミニホムピーは写真を簡単に色々な形で投稿でき、プロ顔負けの写真編集機能もある。当初韓国では、個人が自分の写真を投稿することはあまりないだろうと予測されていたが、専門家の憂慮とは異なり、多くの人々が彼らの日常の写真を次々と投稿するようになった。もちろん、公開レベルは自分で設定できるという条件の下で、である。

 また、2002年に行われたFreechalの有料化政策は、Cyworldにとってまたとないチャンスになった。Cyworldは個人ユーザーのためのミニホムピーサービス以外に「クラブサービス」(サークルサービスのようなもの)を提供しており、Freechalの有料化政策に反発しコミュニティを移ろうとしていた多くのFreechal会員に対して、クラブサービスやミニホムピーサービスを永久的に無料で提供すると断言した。また、一般ユーザーの間でFreechalのコミュニティ内容を簡単にCyworldへ移せるプログラムが普及したことにより、多くのFreechalコミュニティをCyworldへ誘致することに成功した。

 Cyworldはこのような戦略を実施した結果、当時世界最大規模のコミュニティとされていたFreechalをその座から引きずりおろすことに成功した。

 ただ、ユーザー増加に伴うトラフィックの負荷を解決するためには新たな投資が必要であった。収益モデルについて悩んでいたCyworldは、2002年にNeowizのアバターが収益的に成功したことに注目し、2002年4月に「ミニルーム」(アバターのいる部屋)、2003年3月には「ブランドミニホムピー」(企業がマーケティングに活用するホムピー)というサービスを次々とスタートさせた。それまでのアバター中心のデコレーションから幅を広げ、空間のデコレーション機能を強化。さらに、ミニホムピーのテンプレートやBGMを「どんぐり」というサイバーキャッシュでギフトショップから購入できるようにした。

 Cyworldのこのようなアイテムとしてのコンテンツ販売は、韓国ネットビジネスにおいて歴史的な試みとして記録に残るであろう。当時音楽ファイルの違法ダウンロードが頻繁に行われていた韓国において、音楽をCyworldのミニホムピー上のギフトショップで購入し、ストリームで聴く人が増加したということは、単にCyworldの利益としてだけではなく、韓国音楽界においても大きな意味を持つ。

 自分のミニホムピー(つまり、ネット上の自分の空間)をいかに自分の個性を生かして飾るのか(表現できるのか)が、当時ネットユーザーの間で最大の関心事だった。既に様々なコミュニティサイトを経験してきた韓国のネットユーザーたちは、ネット上での生活に慣れ、そこに留まる時間が長くなるにつれ、日常の一部となったネット上でも自分だけのスペースを確保したいという欲望に目覚めたのだ。

 このようなネットサービスの成熟期において、Cyworldのミニホムピーは、ネット上の自分の部屋、家のような機能を与える場所であったのだ。人間は、自分の家や部屋を自分好みに飾り、気分によって音楽を変える。また、日記や写真を見るときBGMがかかっているのといないのとでは、大きな違いがあるのだ。映画でサントラがないと全く味気ないのと同じである。

 当初、レコード会社との交渉に相当苦労したCyworldだが、韓国で初めてネットにおける音楽コンテンツの有料販売に成功したことで、著作権者が次々とコンテンツを提供するようになったことは言うまでもない。

Cyworldの加入者数の伸び Cyworldの加入者数の伸び(出典:コリアンクリック)
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