セキュリティベンダーMcAfeeによれば、5つの主要な検索エンジンのうち、ユーザーに最も危険なウェブサイトを検索結果として提供しているのはYahooだという。
McAfeeは米国時間6月4日、McAfee SiteAdvisorを利用した調査結果を明らかにし、Yahooが提供している検索結果の5.4%が「危険な」インターネットサイトへのリンクであると発表した。5サイトの中で最も安全と考えられるのはAOLで、検索結果に危険性の高いサイトが含まれる割合は2.9%だった。
McAfee SiteAdvisorは、Yahooによる検索結果の大半が「赤」もしくは「黄色」に分類されるものだと述べている。McAfee SiteAdvisorでは、テストにおいて、1つ以上の項目で不合格となった危険なサイトに「赤」の評価を付与している。
同レポートには、「『赤』サイトの例としては、アドウェアを配布するものや大量のスパムを送りつけてくるもの、ユーザーのコンピュータ設定を無断で変更するものなどが挙げられる」と記されていた。一方の「黄色」サイトは、「スパム性の低い」電子メールを大量に送信したり、たくさんのポップアップ広告を表示したり、ユーザーにブラウザ設定を変更するよう促したりするものを指す。
またMcAfeeは、YahooやMSN、Ask.com、Google、AOLなどのスポンサー付きの検索結果は、一般的な検索結果より危険な結果を返す傾向が全般的に高いとも指摘している。全検索結果に対する危険なサイトの割合は、スポンサー付き検索で6.9%、一般検索で2.9%だったという。
McAfeeのアナリストGreg Day氏はZDNet.co.ukに、悪質なコードをばらまいて金儲けをしようと企んでいる人々は、検索企業に広告料金を支払うことをいとわず、また悪質な広告のランキングを上げ、悪質なサイトへのクリックスルーを増やすため、検索企業をだますこともあると話した。「金を稼ぎたいなら、検索エンジンをだますか、広告料金を支払って(ランキングの)トップの座を奪えばよいことを、彼らはよく知っている。われわれの調査では、Yahooが最も危険性の高い検索サイトであるという事実が浮かび上がった」(Day氏)
McAfeeは、IT管理者は企業社員にYahoo検索を使用させないようにすべきだとまでは言わなかったものの、検索結果として表示するサイトに関して、その内容をより厳格に分析する必要がYahooにはあると述べている。「Googleはすでに対策を講じており、(検索結果の)内容が見た目通りであるかどうかをチェックするようになっている。Yahooも同様の取り組みを行うべきだ」(McAfee)
Yahooはこの件について、同社は以前から、特にスポンサー付き検索の場合は、検索結果として表示するサイトに厳格な編集方針を適用してきたと主張している。
Yahooの市場品質担当バイスプレジデントReggie Davis氏は、「われわれは厳しい編集方針を運用し、これに沿ってサイトの内容をチェックしている。さらに、各種製品の専門家やエンジニア、アナリストを複数雇用して、Yahooのスポンサー検索広告の妥当性を確認および維持する取り組みを進めている」と、ZDNet.co.ukに語った。
Davis氏は、McAfee SiteAdvisorのレポートが、5つの検索サイトの中でYahooが最も危険性が高いとしたことに対しては反論を試みず、「われわれはこれまで、マルウェアとの戦いを積極的に支援してきた。実際に、スパイウェア対策ソフトウェアをユーザーに無料提供している大手検索ベンダーは、Yahooのみである。今もなお続いている危険なサイトとの戦いを、あらゆる力を尽くしてバックアップしていきたい」とだけ述べた。
Davis氏は、McAfeeの調査結果からは、Yahooが提供する一般の検索結果は「ユーザーのクリック数を元に提供されていて、他の大手検索エンジンと比べて最も安全性と品質が高い」ことが分かると述べている。
Davis氏は、「Yahooは世界でも指折りの高品質なオンライン広告のマーケットプレイスを提供し、ユーザーに最も安全で関連性の高い検索エクスペリエンスを提供することを使命と考えている。ユーザーや広告主の信頼を損なうようなエクスペリエンスを提供すること」は本望でない」と言う。
「われわれは、技術に投資したり、サードパーティと協力したりしながら、インターネットをユーザーにとって安全な場所としていきたい。こういう取り組みの下、この分野におけるパフォーマンスを改善し続ける予定だ」(Davis氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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