HP、インテル「Turbo Memory」技術を不採用へ--性能向上を疑問視 - (page 2)

文:David Meyer(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年06月05日 12時02分

 HPのチームがIntelのベンチマークテストを用いてTurbo Memoryのパフォーマンスを評価したところ、Intelが述べた通りのパフォーマンス向上が見られた。しかし1GバイトのTurbo Memoryは、実際には2つ(半分がReadyBoost用、もう半分がReadyDrive用)に分割されており、512MバイトのSDカードまたはUSBメモリを付加した場合も同程度のパフォーマンス向上であった。

 パフォーマンスが最大に向上したのは、システムにRAMを実際に追加した場合であった。Doddridge氏は「RAMを1Gバイト追加したところ、ReadyBoostやRobsonなどの技術を利用した場合と比較して、はるかに大幅なパフォーマンス向上が見られた。十分なシステムRAMを確保できているなら、ReadyBoostはさしたる利点を生まない」と述べた。

 また、ReadyBoostでは1種類のメモリソースしか利用できないという事実も、HPの決定の根拠になっている。つまりTurbo Memory(最大で1Gバイトの容量)を搭載したノートPCでは、たとえばユーザーが2GバイトのUSBメモリを利用してコンピュータのメモリを増加させることはできない。

 Doddridge氏は「ReadyBoostに使用するSDカードやUSBメモリの容量を増やすことで、パフォーマンス向上が見込める。SDカードやUSBメモリを利用することで、(機器の増設時期や)価格帯を希望に合わせて選択可能になるため、ユーザーはより高い柔軟性を得ることができる。一律の出費を強いたり、512Mバイトの容量に固定したりといったことはしない」と述べた。

 HPのEMEA担当ノートPCマーケティングマネージャーAndre Carvalho氏は、1GバイトのTurbo MemoryモジュールをノートPCに搭載するために約50ドルの費用がかかるという点も指摘した。同程度のメモリ増加効果を生む512MバイトのSDカードは、10ドル前後の価格である。

 IntelはZDNet UKに対し、1Gバイトという容量は「エンジニアリング上の選択」によって決定したもので、採用するかどうかはメーカー次第であると述べ、Turbo Memory技術の有効性を主張した。

 Turbo Memoryを採用するノートPCメーカーAsusの代理人はZDNet UKに対して、Centrino Proのリリースから1カ月近く経過しているにも関わらず、ノートPCへのTurbo Memory導入が、ほとんどのメーカーで何らかの「技術的問題」により遅れている、と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]